初出場のアナ・キーゼンホファー(30=オーストリア)が3時間52分45秒で制した。連覇を狙ったファンデルブレーヘン(オランダ)は15位だった。

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数学博士が金メダルをつかんだ。キーゼンホファーは、英ケンブリッジ大などで数学を学び、現在も大学で研究を続ける異色の経歴を持つ。「奇跡は信じないで基本に忠実にトレーニングしてきた。素晴らしいレース」と喜んだ。

誰も予想しなかった勝利だった。137キロの長丁場だったが、スタートから約2キロで「アグレッシブに行きたかった」と飛び出した。後方の集団には複数の優勝候補を抱えたオランダ勢らがいたが終始リードを保ち、最後の約40キロは数人の追従者も振り切り独走した。

ウィーン工科大を卒業後、英国やスペインの大学で学び博士号を取得。現在はスイスの大学で研究を続け、学生への指導も行っている。

競技を始めたのは2014年で、五輪初出場。昨年の世界選手権は44位、今年は国内選手権6位と、全くノーマークの存在だった。「私はアマチュア。栄養、器具、レースプランなど全てを自分で管理しないといけないが、それが誇りでもある」と胸を張った。

研究もあってプロの選手と同じようには練習できない環境だ。それでも「収入は全て自転車に費やす」と言い「五輪を目指したこの1年半はいろんな犠牲を払ってきた」と実感を込めた。日本でのレースを「富士山がきれいだった」と振り返り「自信がついた。これからも研究と自転車を続ける」と笑顔を見せた。(共同)