えっ、何もしない!? 男子シーディングラン(滑走順決定戦)で、前代未聞の“演技”が生まれた。21年世界選手権5位のニック・ブルース(29=米国)は2本の滑走ともに、何も技を出さず。2回目は、ジャンプ台からスロープを降りただけで、そのまま終えた。

90点超えが世界トップスコアだが、ブルースの得点は、1本目が6・60点、2本目に至ってはわずか1点。出場者9人は、予選落ちはなく、この日の順位で、8月1日の決勝の滑走順が決まる。ブルースは、決勝の滑走順は何番でもかまわないとばかり、全く技を見せず。決勝で、初めて披露する大技を準備していると思われる。

決勝は、この日の順位で1位が最終滑走。最下位がトップバッターとなる。ブルースは2本の平均3・8点で最下位となり、決勝はトップでの登場。ブルースの得点が、残り8人の基準となるため、全員が息をのんで見守ることになる。