四十住さくら(19=ベンヌ)が唯一の60点台を出して初優勝した。今夏の東京五輪に向け弾みを付けた。ライバルで宮崎市出身のスカイ・ブラウン(英国)は58・50点で2位、岡本は57・00点で3位。五輪予選最終戦を終え、1カ国最大3人の代表枠は、四十住、岡本、開が確実にした。

最終滑走前に3位に付けた四十住は、4本目で540(1回転半)を決め、逆転で優勝。滑走後にガッツポーズを見せ、顔には笑みがこぼれた。

岡本碧優に次いで高難度の技を決めた女子選手となり、優勝インタビューでも声を弾ませた。スカイ・ブラウンの通訳を借りながらインタビュアーの質問に答え、「ファイブ(540)は大会でまだ出したことがなかったので、大会で出せてうれしかった」と興奮気味に振り返った。日本代表の西川隆監督は「練習時間が短い中でもできたことを考えると、540をやれる自信があったんだろう」と分析。完成度の高さを評価しながらも「まだまだ次がある」と期待を寄せた。

スケートボードが正式種目となって初の五輪が間近に迫る。代表入りを確実視した19歳は「日本代表としてオリンピックで全力を出し切れるように頑張りたい」と力強く語り。ホームのアドバンテージを生かし表彰台のトップを狙う。

◆四十住(よそずみ)さくら 2002年(平14)3月15日、和歌山・岩出市生まれ。小6でスケートボードを始め、17年日本選手権(ストリート)2位。18年はパーク日本選手権、アジア大会、世界選手権でいずれも「初代女王」に輝いた。家族は両親と兄。159センチ、52キロ。

 

◆東京五輪スケートボード種目 「ストリート」と「パーク」の2種目。ストリートは斜面や階段、手すりを模したコースを使用。パークはコンビプールと呼ばれるおわんを組み合わせたようなコースで争う。両種目ともトリック(技)の難度、スピード、構成、独創性などを競う採点競技。ジャンプやスライド技の多いストリートに対し、パークは回転技が多い。