日本サッカー協会は、5月17~19日に予定している東京オリンピック(五輪)代表のJヴィレッジ合宿を中止する考えを固めたことが8日、分かった。新型コロナウイルスの影響で、Jリーグ公式戦が延期になり、日程が取りづらくなったため。Jクラブ幹部は「国内組中心の5月Jヴィレッジ合宿は実際に難しい。日本協会の判断は現実的な選択」と話した。

Jヴィレッジ合宿は、単なる強化合宿にとどまらない一大イベントだった。東京五輪・パラリンピックを前に、11年3月11日の東日本大震災からの完全復興を日本中、さらには世界中にアピールする大事な機会でもあった。その機会を逃すのは心苦しい判断ではあるが、Jリーグの再開が見えず、延期が続きそうな現状で実現するのは難しいと判断したようだ。

3月の代表&五輪代表の全日程中止の方向で、6月の代表招集可否も、まだFIFAから明確な返答は届かない状況だ。2日に開かれたAFC会議では「3月は難しい。6月は現状のままなら実施できるかもしれないが、見通しは明るくない。FIFAと協議して中止するなら早い段階でみんなに伝えます」との見解が述べられたという。

5月のJヴィレッジ合宿を断念する日本協会は、東京五輪を目指す代表候補選手を6月1~9日のIMD(国際マッチデー)に結成する方針を固めた。しかしFIFAが「6月も中止」の決定を下すと、同月のトゥーロン国際大会の開催も不透明になる。五輪代表は7月6日開始の直前合宿からのぶっつけ本番で本大会へ向かう可能性もある。