東京五輪への切符をかけたサバイバルがクライマックスを迎える。U-24日本代表は5日、同ガーナ代表との国際親善試合(ベススタ)に臨む。3日のA代表との強化試合(札幌)を終えたチームは、アクシデントもありながらも、何とか福岡入りした。メンバー発表まで残り2試合。ここまで生き残っている五輪世代24人から9人が落選する。緊張が張り詰める最終選考の状況を、ポジション別に分析した。

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自国開催の五輪。MF久保は「一生に1度あるかないか」と、その価値を表現した。男子サッカー競技では初となる金メダル獲得を目指す森保ジャパン。選ばれる15人の五輪世代は誰か、今月末には答えが出る。森保監督が「最終選考の場」と明言した2試合。全員が特徴を持ち、競争は最後まで激化の一途をたどっている。

【注】※はオーバーエージ、◎は当確、○は有力、△は当落線上。名前の右は3日のA代表戦出場時間、所属、身長・体重

◆GK

○大迫敬介(先発45分)広島、21歳=187センチ86キロ

△沖悠哉(途中45分)鹿島、21歳=184センチ82キロ

△谷晃生(出場なし)湘南、20歳=190センチ84キロ

△鈴木彩艶(出場なし)浦和、18歳=190センチ91キロ

2人の選出が見込まれる本命不在のポジション。チームでの実績で言えば大迫が1歩リードも安泰ではない。すべりこみで選出された18歳の鈴木は浦和で代表経験者のGK西川からレギュラーを奪取。パフォーマンス次第では大逆転の選出も十分に考えられる。

◆DF

※吉田麻也(出場なし)サンプドリア、32歳=189センチ87キロ

※酒井宏樹(出場なし)マルセイユ、31歳=183センチ70キロ

△町田浩樹(先発90分)鹿島、23歳=190センチ80キロ

△旗手怜央(先発78分)川崎F、23歳=171センチ70キロ

△古賀太陽(途中12分)柏、22歳=182センチ76キロ

◎冨安健洋(出場なし)ボローニャ、22歳=187センチ84キロ

△橋岡大樹(先発90分)シントトロイデン、22歳=184センチ80キロ

○菅原由勢(先発90分)AZアルクマール、20歳=179センチ67キロ

主力の軸はある程度固まっている。4バックの場合は右SBが酒井、CBが吉田と冨安というA代表とまったく同じ布陣。左SBが唯一固まっていないが、昨年11月、12月の欧州遠征ではMF中山がこなしてある程度の形は見えている。サブ候補として貴重な左利きCBの町田や複数ポジションをこなせる橋岡、旗手、菅原らが代表入りを争う。

◆MF

※遠藤航(途中12分)シュツットガルト、28歳=178センチ76キロ

◎板倉滉(先発78分)フローニンゲン、24歳=186センチ75キロ

○中山雄太(先発45分)ズウォレ、24歳=181センチ76キロ

△相馬勇紀(途中45分)名古屋、24歳=166センチ69キロ

△三好康児(先発73分)アントワープ、24歳=167センチ64キロ

△三笘薫(出場なし)川崎F、24歳=178センチ71キロ

△遠藤渓太(先発45分)ウニオン・ベルリン、23歳=175センチ66キロ

◎堂安律(途中17分)ビーレフェルト、22歳=172センチ70キロ

○食野亮太郎(出場なし)リオアベ、22歳=171センチ68キロ

○田中碧(途中45分)川崎F、22歳=180センチ74キロ

◎久保建英(先発45分)ヘタフェ、20歳=173センチ67キロ

ボランチはOAの遠藤航が柱となり、相方候補は田中と板倉が1番手を争う。ともに3月のアルゼンチン戦でも高パフォーマンスを見せた。2列目はA代表常連の久保が中央、堂安が右サイドでリード。ただ遠藤渓や食野ら、他の海外組は安泰ではない。国内で売り出し中の三笘、相馬らもアピール次第で可能性がある。特に左サイドの争いは注目だ。

◆FW

△林大地(途中33分)鳥栖、23歳=178センチ74キロ

△前田大然(途中45分)横浜、23歳=173センチ67キロ

△上田綺世(出場なし)鹿島、22歳=182センチ76キロ

△田川亨介(先発57分)東京、22歳=182センチ72キロ

GKと並んでこちらも本命不在。多くて3人が本大会に選出される可能性がある。チーム最多得点者の上田がもっとも計算できる存在か。3月に初選出された林が3日のA代表との強化試合でも持ち前のパワフルさを全面に出してアピールに成功しており、残る2人もうかうかしていられない。【岡崎悠利】