東京オリンピック(五輪)のサッカー男子日本代表は本番前最後の実戦として17日、優勝候補筆頭に挙げられるスペイン代表との強化試合(ノエビアスタジアム神戸)に臨む。チームは16日に試合会場で最終調整。オンラインで会見した森保一監督(52)は、多くの選手を起用する意向を示しつつ、勝利にこだわる姿勢を強調した。

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スペイン戦の勝利を、金メダルへの序章にする。前日会見に出席した森保監督は「どんな相手と戦うにも、勝つことにこだわる。可能性は十分にある」と言葉に力を込めた。チームのA代表経験者は日本の15人に対し、スペインは17人。自国開催となる日本に引けをとらず、豪華な陣容をそろえる。

一方で国際Aマッチ出場数は日本が286試合と、スペインの136試合を大きく上回る。DF吉田主将らオーバーエージの経験が大きいこともあるが、A代表を兼任する森保監督が南米選手権や欧州遠征といった場で積極的に五輪世代を起用した効果も出ている。「選手が成長していく過程を見ている。世界で戦っていけるだろうというくらい、選手がチャレンジしている」。一貫性のあるチーム作りをしてきたからこそ、自信もある。

選手たちには「力をしっかり出し切れば、世界の強豪とも対等に戦えると(スペインと)同じ目線で戦ってほしい」と期待を込めた。守りに入ったらやられる。自身が93年の「ドーハの悲劇」を経験し、得た教訓だ。現役時代は守備的なボランチだったこともあり、「ボール奪うことを考えなければ、守備にはならない」。1対1で負けないこと、個の力を上げることを就任以来、言い続けてきた。

五輪代表候補として招集した選手は、オーバーエージ(OA)を除いて90人にも上った。選んだ精鋭19人にOAが加わり、五輪代表史上最強との呼び声も高い。「五輪で勝っていくためには、世界トップに勝たないといけない」。スペインをたたき、優勝候補に名乗りを上げる。【岡崎悠利】