サッカー女子の日本(FIFAランク10位)は英国(同6位)に0-1で敗れ、今大会初勝利は挙げられなかった。

高倉麻子監督(53)は21日初戦カナダ戦(1△1)から先発5人を入れ替えて臨み、格上相手に前半をスコアレスドローで折り返す善戦を見せたが、後半29分に失点した。2戦を終え、1分け1敗で1次リーグE組1位突破の可能性は消えた。

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敗戦が決まると、なでしこジャパンのメンバーはピッチ上でDF熊谷主将を中心に円陣を組み、必死に前を向こうとした。高倉監督の采配は強豪相手に的中とはならなかった。試合後、ベンチのスタッフ、メンバー1人1人とグータッチでねぎらい合った。「粘り強く勝ち点1、3を取りにいくということで集中してやれていたけど、1つのプレーで仕留められた」。後半29分の失点に屈した。

大胆なメンバー変更を敢行した。ドローだったカナダ戦から中2日。前日23日に別メニューで調整したエースFW岩渕をベンチに控えさせ、MF杉田の左サイド起用やGKも池田から山下に代えるなど、5人を入れ替えた。「よりアグレッシブにいきたかった」。カナダ戦では守備に引っ張られ押し込まれる場面が多かった。修正するべく、前線に人数をかけようとした。元々はバックアップメンバーだったMF林の抜てきなど、より攻撃を意識。好機を相手より多く作ったが、決めきれなかった。選手も起用に応えようと力を出した。そんな姿に「このメンバーがベストだと選んだ」と思いやった。

イングランドが主体の英国。高倉体制でイングランドとの対戦は4戦目で、すべて完封負け。悔しい結果となった。後半35分にエース岩渕を投入したが、またも得点を奪えなかった。2大会ぶりの五輪出場で初の金メダルを目標に掲げるが、E組首位の可能性は消えた。それでも27日のチリ戦に勝てば決勝トーナメント進出は決まる。指揮官も「勝ち点3を取りにいく」と言い切る。11年W杯女王はホスト国のプライドにかけ、まだ五輪の戦いを終えるわけにはいかない。【保坂果那】