サッカー男子で日本が、実に53年ぶりのメダルをかけ、スペインと準決勝で対戦する。

ワールドカップ(W杯)と五輪で優勝経験がある欧州の強豪に、日本が挑む。日本の五輪での最高成績は釜本邦茂らを擁した1968年のメキシコ五輪での銅メダル。今夜の一戦は、日本サッカー史に残る歴史的な大一番となる。

日本のこれまでの戦いぶりを振り返る。

 

◆1次リーグ第1戦(7月25日)南アフリカ戦 終始日本が攻め込みながらも得点が生まれなかったが、後半26分に右サイドでMF田中のロングパスを受けたMF久保が、ペナルティーエリア内にカットインして左足で決勝点を奪い、1-0で白星発進した。前日練習で負傷したDF冨安がベンチ外となったが、急きょ出場したDF板倉が安定したパフォーマンスを見せた。大会直前に相手の選手とスタッフから新型コロナ感染者が出たため、当日まで試合が開催されるかどうか分からない中での、ハラハラの初戦だった。

 

◆1次リーグ第2戦(25日)メキシコ戦 バックアップメンバーから昇格した形のFW林が、2戦連続でワントップに入った。開始6分、堂安の右クロスに走り込んだ久保が先制。12分には堂安がPKを決めて、早々と2点のリードを奪った。後半23分には、ロングボールに抜け出した堂安を倒した相手選手が退場となった。日本は数的優位となったが試合を決める追加点を奪えず、後半40分にはFKから失点したが、終了間際にはGK谷のビッグセーブもあり、なんとか2-1で逃げ切った。

 

◆1次リーグ最終戦(28日)フランス戦 大会前のケガから復帰したFW上田が初先発した。序盤から流れるような攻撃で相手ゴールに迫り、前半27分に上田のシュートのこぼれ球をMF久保が押し込み先制。同34分にも上田がシュートを放ち、相手GKが弾いたところにDF酒井が詰めて2点目を奪った。後半25分にはMF三好が3点目を決め、同ロスタイムには途中出場のFW前田にもゴールが生まれた。1次リーグ3連勝の日本はA組首位で決勝トーナメントに駒を進めた。

 

◆準々決勝(31日)ニュージーランド戦 格下とみられた相手に苦戦。前半から相手の激しい当たりと、体を張った守備の前に、攻めあぐね、ここまで3戦連発のMF久保もゴールが遠い。前半は日本が主導権を握ったが、0-0。後半になるとニュージーランドがシステムを変更。日本も守備を整えて対応し、我慢の展開に。終盤は交代カードを切った日本優位も、相手GKの攻守もあり延長戦へ。延長でも互いに譲らず、PK戦へ。日本はキッカーを立候補制とし、1番手のFW上田から、着実に決める。GK谷が好セーブで、1本阻止し、もう1本を失敗へと導く。最後は4人目のDF吉田主将が決め4-2で勝ち上がり、2012年ロンドン五輪以来となるベスト4進出を決めた。