メキシコが12年ロンドン五輪決勝で倒したブラジルに、最後はPK戦で惜敗。日本との3位決定戦に回ることになった。試合開始から互角の戦いを演じ、カウンターから何度も好機をつくった。前半終了間際には連続して得点機を迎えたが1点が遠かった。それでも前回大会覇者ブラジルを苦しめ、ロサノ監督は「参加国の中でも飛び抜けて強いブラジルを相手に良く戦い、チームを誇りに思う。選手、コーチングスタッフに感謝したい。彼らスタッフの力なくしてはここまで来ることはできなかった」と話した。

3位決定戦が残されており、ロサノ監督はブラジル戦のピッチを去る際、選手たちに「まだメダルを家に持って帰ることができるチャンスがある。大事な試合だ。我々はプロフェッショナル。最後まで戦い抜こう」と伝えたという。

◆日本のメキシコ戦 五輪本大会では2-1で競り勝った今大会の1次リーグ第2戦を含めて3度対戦し、2勝1敗と白星先行。68年メキシコ五輪の3位決定戦で初めて対戦し、FW釜本が前半20分に先制すると、同40分にも追加点を挙げて2-0で勝利。エースの活躍で日本は悲願の銅メダルを獲得した。12年ロンドン五輪準決勝ではウェンブリー競技場で対戦。前半12分にFW大津の得点で先制したが、その後3点を失い、1-3と逆転負けした。

◆68年メキシコ五輪の日本 長沼健監督が率いたチームは1次リーグ初戦のナイジェリア戦でFW釜本邦茂がハットトリックを達成。3-1と快勝し、勢いに乗った。3戦目のスペイン戦は0-0で引き分けたが、1次リーグ2位通過。準々決勝もフランスを3-1で下して4強入りした。だが、最終的に金メダルを獲得したハンガリーに準決勝で0-5と大敗し、3位決定戦へ。そこで開催国メキシコを2-0で下して銅メダルを獲得した。釜本が通算7点で得点王に輝いた。