男子の五十嵐カノア(23=木下グループ)が準決勝で、17・00を出し、世界ランク1位ガブリエウ・メジナ(ブラジル)を破り、銀メダル以上を確定させた。台風が接近する悪天候にも動じず、スコアを伸ばした。

プロ最高峰チャンピオンシップツアー(CT)でしのぎを削るトップ選手同士の戦いは、ハイレベルな展開になった。世界ランク1位のガブリエウが試合開始を告げるブザーと同時に波に乗ると、1本目から8・33点(10点満点)。4本目(8・43点)でも8点台を出し、トータル16・76点。2つの高得点でまとめた。

対する五十嵐もギアを上げ、負けなかった。1本目で7・43点とまずまずのスコアを出し、迎えた5本目で「エアリバース」が成功。思わず両手を突き上げ、天を仰ぐほどパフォーマンスで、この日最高の9・33点をマークした。

会場周辺のボランティアスタッフからも拍手と歓声がこだまし、トータル17・00点。逆転で決勝に駒を進めた。五十嵐は「(5本目は)毎日トレーニングする技だけど、このプレッシャーがあるシチュエーションで決められたのは一生忘れられないエアです」と感情を込めた。

スケートボードのストリート男子で金メダルを獲得した堀米雄斗(22=XFLAG)とは開会式で再会し、そこで「一緒に金メダルを取ろう」と言葉を交わした。約束を果たすまで残り1勝。この日の夕方に行われる決勝に向け「自信持って行きます」と意気込みを見せた。