日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)が1日、女性問題が騒動になった競泳男子の瀬戸大也(26)に「出直し」を求めた。

「我々としては世間を騒がせたことについて非常に残念。信頼を失うのは一瞬、積み上げていくのはひとつひとつ。社会人として、トップアスリートとして、イチから信頼を回復していってほしい」と指摘した。

瀬戸は9月30日に自ら申し出て「五輪の顔」といえるJOCのシンボルアスリートを外れた。ANAとの所属契約解除、競泳日本代表主将の辞退も申し入れた。山下会長は「今、日本を代表するアスリートとして(バドミントン)桃田賢斗選手(柔道)大野将平選手がいます」と、過去に賭博問題、暴力問題があった2人の名前を挙げた。その上で「どちらも世間、マスコミからたたかれた。やはり人生はいろいろあるから。自分を謙虚に振り返って、あらためるところはあらためる。2人とも競技を辞めようと思ったと思う。だけど、今はたくましく復活してきた。だから世間の目も厳しいと思うが、イチから始めて頑張って欲しい」と険しい表情で口にした。

東京五輪を前にしてアスリートの発信力は高まっている。「いま、スポーツ界で活躍すると注目を浴びるし、言動がいい方向にも悪い方向にもいろんな影響を与える。スポーツで頑張って、活躍する、脚光を浴びることは素晴らしいこと。ただそれだけ自分自身の行動に対しては自覚と誇りが必要になる。イチからやってほしい」と繰り返した。