東京オリンピック(五輪)代表の池江璃花子(20=ルネサンス)ら400メートルリレーチームが、五輪予行演習で日本新を記録した。非五輪種目の200メートルリレーで、五十嵐千尋(26)池江、酒井夏海(20)大本里佳(24)が1分39秒82の日本新。従来の記録1分40秒95(大本、青木智美、白井璃緒、池本凪沙)を1秒13更新した。池江は18年11月以来2年8カ月ぶり、白血病からの復帰後初の日本新となった。

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池江が、顔をほころばせた。非五輪種目の200メートルリレーで第2泳者を務めて日本新。「日本記録は個人でも、リレーでも、響きがいいです」。これで個人5種目、リレー4種目と9個の日本記録を保持。そして白血病から復帰後初の日本新に、にっこり笑った。

代表決定後、初めてリレーを組んで試合に出場。五十嵐-池江-酒井-大本の並びは4人で話し合った。五輪で臨む400メートルリレーも、戦略は同じだ。池江は体重が戻りきっておらず、最初の15メートルで出遅れることは否めない。「15メートルで0・4秒の差がある。第1泳者で離されるよりも第2泳者で勢いをつけていく」と池江。自己ベスト54秒14の五十嵐、同52秒79の池江と上位2人を並べることで先行逃げ切りをはかる。

6月28日に東京五輪のエントリーが発表され、池江は個人種目なし。6月中旬に西崎コーチから「どう思っている?」と聞かれ「任されたリレーをやりきりたい。最優先にしたい」と返答。同コーチは「同じ意見。体調はいいが、無理させるところではない」。個人種目はパリ五輪での活躍を目指して、着実に歩む。

21歳の誕生日となる4日は、午前決勝の本番を見据えて、朝に200メートルリレーを再び泳ぐ。池江は「目標は、もう少し速いタイム」。連日の日本新を目標に掲げた。【益田一弘】