男子高飛び込みで初出場の玉井陸斗(14=JSS宝塚)が、日本勢21年ぶりの7位入賞を果たした。準決勝は413・65点で8位通過。決勝は5本目にミスはあったが、431・95点で7位に食い込んだ。同種目では、00年シドニー大会の寺内健5位以来の入賞となった。14歳で臨んだ初五輪で堂々の演技を披露。日本飛び込み界100年の夢である五輪初メダルを目指し、24年パリ五輪に向けて技を磨いていく。

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14歳は、充実感を口にした。「今できる最高の演技はできた。五輪で練習したことを披露できた。自信になった」。5本目に苦手な「307B(前逆宙返り3回半抱え型)」で失敗したが「回転しすぎるぐらいでオーバーしたので、悔いが残るとかじゃない」。思い切りのいい演技で見せた。

決勝の入場では、たたんだ両肘を何度も上下させるコミカルなしぐさ。「代表の皆に『リラックスするために、やってみたら』と。ワクワクです」とにっこり。この日はJSS宝塚の先輩で尊敬する寺内の41歳の誕生日。14歳は「かなりの夢でしたが、メダルをとってかけてあげたかった」。

今大会はスケートボードで13歳西矢らが活躍。「自分が活躍できないのは嫌だった。入賞ですが、活躍できたほうかなと思う」。

パリ五輪に向けてさらに入水を磨く。国内敵なしだが、銅メダルまで116・30点差。国際審判の評価点で「9」が出たのは今大会18本中1本。ノースプラッシュならば、しっかり評価されることは証明された。あとは確率を100%に近づける地道な作業になる。

馬淵コーチは「14歳で五輪の決勝を飛べる。それはなかなかないこと」と褒めた。寺内は五輪6度出場だったが、玉井については「メダルをとるまでやってもらいます」とニヤリだ。

飛び込みは、1290年アントワープ大会で日本人初出場もメダルはない。玉井は小学校の卒業文集で「オリンピックでメダル」と書いた。「パリまでの3年間でちょっとでも(トップに)近づきたい。皆からすごいと思われる演技をしたい」と玉井。日本飛び込み界100年の夢に向けてがんがん飛ぶ。【益田一弘】

▽玉井の父隆司さん 7位入賞おめでとう。予選をギリギリ(の16位)で通過したことを思えば、決勝の舞台まで連れて行ってくれて、7位入賞とすごい結果まで見せてくれて、うれしかったです。次はパリ五輪を目指すと思いますが、引き続き、陰ながら応援していきます。