東京五輪卓球女子シングルスで銅メダルを獲得した伊藤美誠(20=スターツ)は「なまいき」が原点にあった。関西の練習拠点、関西卓球アカデミー(大阪市北区)では午前の準決勝、夜の3位決定戦とパブリックビューイング(PV)を実施。同アカデミーで伊藤が小学6年の時から指導していた王子コーチ(37)も特別な思いに浸った。

当時を「やんちゃでしたね」と振り返り、「1つ教えたら、違う考えを3つ、4つ返してくる。実になまいきでした」。当時から自身の考えを持って、練習に臨んでいた。王子コーチもムッとすることはあったというが、「なまいきだったが、試合には勝って結果を出す。すごい選手だと思いました」。

そんな勝ち気な性格も16年リオデジャネイロ五輪の後から変わってきたという。「五輪の後の全日本で1回戦負けしたり、苦しんでいた。そういう経験があって彼女は変わった。賢いですよ」と振り返る。

王子コーチは、伊藤の運動能力にも注目している。「瞬発力がすごいですから。ボクシングをやらせたら強いかも」。ボクサーとしての可能性も感じさせるほどのポテンシャルが、誇れるメダルをもたらした。【実藤健一】