ギラギラした太陽が照りつける中、大坂なおみがオリンピック(五輪)会場で始動した。

有明テニスの森公園が蒸し風呂のような暑さになってきた午前11時頃、オレンジ色の派手なシャツに黒のスパッツ、ピンクなどの鮮やかな色で編み込んだ髪形でセンターコートに登場。「TOKYO2020」の文字が入ったバックフェンス前で、武器である豪快なストロークを放つなど約1時間汗を流した。

約2カ月ぶりの大会出場となる。5月の全仏開幕前、自身のSNSで精神的負担などを理由に記者会見の拒否を宣言した。1回戦を勝利後には、会見を拒否し罰金1万5000ドル(約165万円)を科された。うつ状態に悩まされていることを告白し、2回戦は戦わずに棄権。続くウィンブルドンは欠場した。

拠点を置く米国で短い休養を取った後、ハードコートでしっかりと練習を積んできた。17日早朝にフィセッテ・コーチ、中村トレーナーとともに日本に到着。18日は時差調整などで休憩し、この日から始動する形となった。練習後は日本代表の吉川コーチ、ツアーに同行するフィセッテ・コーチらと談笑し、水分補給ですいかを口にするなどリラックスした様子だった。

大坂にとっては念願の五輪初出場となる。13年に20年夏季五輪の東京開催が決定して以来、「地元の五輪で金メダルを取るのが最大の夢」と言い続けてきた。テニス界は欠場者が相次ぐ中、「五輪に出るためなら、2週間の隔離も受け入れる」と、日の丸をつけた戦いに熱い思いを持っている。6日には、日本選手団の結団式に合わせて「日本代表として出場できることに誇りを持っております。五輪は全力を尽くします」とのコメントを発表した。

22日には組み合わせが決まり、競技開始は開会式翌日の24日から。第2シードとして金メダルに挑む。

◆東京五輪のテニス 男女とも64選手が出場するシングルスは3セットマッチで最終セットはタイブレーク。シードは第16まで。トーナメント制で3位決定戦がある。女子シングルスは1回戦が24日に始まり、3位決定戦、決勝は31日。