男子では小田倉真(27=三井住友海上)が16位に入り日本トライアスロン連合(JTU)が定める東京オリンピック(五輪)の選考基準を突破、代表の最有力候補となった。今後選考委員会で内容を審議し、理事会を経て内定となる。

16位に入って五輪代表入りへ大きく前進したが、ゴール直後の小田倉の顔に笑みはなかった。「きつすぎてフラフラになっちゃて、力が残っていなかった」というのが理由。レースについて「無我夢中で前をかわしていくことだけを考えていました」と振り返った。

スイムで出遅れながらも、得意のランで巻き返した。勝因は自慢の足。ナショナルチームの高地合宿で鍛えた。長野・東御や小諸市内で有酸素能力を高め、持久力が向上した。バイクとランニングに磨きをかけて「今まで自分が出せていなかったパワーにつながった」という。晴れて代表最有力候補となったが「まだ実感は湧きません。これから自覚を持っていきたい」。関係者に促されて片手でガッツポーズすると、少し笑みがこぼれた。

◆小田倉真(おだくら・まこと)1993年(平5)7月20日、東京都生まれ。小学校3年から高校卒業までの9年間競泳に打ち込んだ後、日体大進学後トライアスロン部に入り競技の道へ。卒業した17年三井住友海上に入社。