バレーボール女子代表の中田久美監督が1日、オンライン取材に応じた。

予選4試合を終えて1勝3敗と5位。各組上位4チームによる決勝トーナメント進出のために、あすのドミニカ共和国戦が負けられない戦いとなる。指揮官は「大一番だが、選手たちには勇気を持ってプレーしてほしい」と、自身も闘志を燃やしている。

前日の韓国戦は、フルセットの末にライバルに競り負けた。最終戦に勝てば予選突破、負ければ敗退となる中で、中田監督は「5年間東京オリンピックに向けて準備してきて、選手たちは一戦一戦全力で戦っている。3敗していることで精神的にも非常に厳しいですが、気持ち切り替えてやるだけ」と引き締める。

指揮官にとって朗報なのは、初戦で右足首の捻挫で負傷交代した古賀紗理奈(25=NEC)が韓国戦で復帰したことだ。

中田監督は声を震わせながら当時のことを振り返り「ケニア戦で負傷して、病院で診察を受けて帰ってきたのが夜中の2時ごろ。私は待っていたんですが、帰ってきた紗理奈の顔を見た時にすごいやる気を感じたんです」。けがの状態を尋ねると、今や副主将を担う25歳は「歩けます!」と一言。予選突破へ重要な一戦となる韓国戦での復帰に照準を合わせることを、2人で決めた。

中田監督は「(古賀に)無理はさせたくないという気持ちも半分ありながら、オリンピックはそういうものなんじゃないかな。私も靱帯(じんたい)が切れていたし、セッターの竹下だって骨折していた。それでもやるのがオリンピック」。韓国戦は負けはしたが、愛弟子の覚悟に触れて心を揺さぶられた。「伝説に残るチーム」を作ると常々訴えてきた中で、ここで負けるわけにはいかない。【平山連】