男子フリースタイル86キロ級で、高谷惣亮(32=ALSOK)が3大会連続の五輪出場を決めた。7日の決勝進出を決め、上位2人に与えられる東京五輪出場枠を獲得。日本協会の選考基準を満たし、代表に内定した。

初戦をイタリア選手に10-0のテクニカルフォール勝ちで滑りだすと、続く2回戦ではロシアから国籍取得したスペイン選手に土壇場で逆転勝ち。4-4に追いつかれ、そのままでは敗退が決まる残り10秒から、タックルで相手を場外まで運び5-4で競り勝った。準々決勝ではハンガリー選手に12ー0の完勝。準決勝はポーランド選手を7ー2で退け、「1日4試合は若い時以来。正直、体力の心配があった。6分間ずっと戦うことができた。準決勝、相手も強い選手。自分のベストを出していくことだけ考えていました」と振り返った。

4月のアジア予選(カザフスタン)では、勝てば内定だった準決勝で、納得できない判定で敗退していた。さらに日本に帰国後の14日間の隔離生活では、日本協会がアジア予選の代表陣の体調不良者について申告しなかったことで、スポーツ庁が誓約書違反として隔離期間中に練習ができる特例措置を認めなかった。国内でのマット練習ができないままで臨んだ大一番。世界の層が厚い中量級で見事に五輪切符をつかんだ。

「金メダルを予約している」と話していた3度目の舞台。「キャンセルにならなくて良かった」と胸をなで下ろしつつ、新型コロナウイルスの影響が大きい状況での開催にも言及した。

「国民の理解も得られない中での舞台になりますが、その中でもアスリートはアスリートの信念を持って闘っていると思う。最終的にどうなるかわからないですが、そこで金メダルを取るために切磋琢磨(せっさたくま)しているので、みんなに祝福されるような選手、大会になってほしいと思ってます」と願った。