初出場の川井友香子(23=ジャパンビバレッジ)が決勝進出を決め、銀メダル以上を当確させた。準決勝で18年世界選手権の決勝で負けたユセイン(ブルガリア)に、3-2で下し、雪辱を果たした。

6月の直前合宿、自信を持って言った。「明らかに見た目が変わりましたから。力がついた分、技は決まりやすくなったと思う。(場面によっては)力で持っていけたりするんじゃないか。ポイントも多く取れるようになったんじゃないですかね」。コロナ禍の1年延長で体つきが大きく変わった。1日5食、ウエートトレーニングを徹底し、弱点克服に励んできた。19年世界選手権では、相手の押しに耐えられず、場外に出された姿はない。この日の1回戦、2回戦とも押される場面はなかった。

五輪は初出場。姉梨紗子がリオで金を手にするのを現地で見ていた。「かけ離れていくなあ。でも、いつかは私も追い付きたいな」。そんな風にぼんやり考えていた。ピントが合うようになったのは18年世界選手権で銀メダルを獲得してから。「本当に目指そう」と目の色が代わった。

姉に五輪会場の雰囲気を聞くと、「いつもの試合の雰囲気に五輪のマークが付いているだけだよ」と返ってきた。そんな姿が頼もしく、落ち着けた。しっかりとその会場でこの1年の成長を証明した。4日の決勝で、5年前に見た姉と同じ一番輝くメダルを手に入れる。