レスリング女子50キロ級で須崎優衣(22=早大)が、決勝で孫亜楠(中国)を下し、金メダルをつかんだ。

開会式では旗手も務めた「東京五輪の申し子」。1度は出場が絶望視された舞台で、全4試合を無失点のテクニカルフォール勝ちした。14年からの対外国人の連勝を「70」に伸ばした。同競技は最終日を迎え、女子はリオデジャネイロ五輪に続き4種目を制覇した。

○…元世界女王の吉村コーチは、初めて五輪の舞台に立った。女子が五輪競技になる前の89年世界選手権を日本選手として初制覇し、計5度の世界一に。04年アテネ五輪で採用が決まったが、代表選考会は予選リーグで敗退した。08年からエリートアカデミーのコーチを務め、出会ったのが須崎だった。まな弟子が連れてきてくれた、届かなかった舞台。「マットも相手も同じ。いつも通り行こう」と声をかけながら、自らも「いつも通り」を貫き、金メダルを見守った。「これが優衣の第1章。第2章は視野を広げて、良い人生を歩んで」と望んだ。