王貞治「一本足打法」の極意! 756号フォームを連続写真で徹底解説

本紙で10年目を迎えた名物企画「解体新書」。走攻守を極めた面々が、連続写真で一流選手の技術に迫ります。トップバッターはもちろん…通算868本塁打の王貞治氏。華麗な連続写真は必見です。(2016年5月13日掲載、年齢肩書きは当時のまま、敬称略)

プロ野球

連続写真でフォーム分析する「解体新書」。今月は球史を彩ったレジェンドたちを紹介する。第1回は王貞治氏(76=ソフトバンク球団会長)の登場だ。4日に心不全で亡くなった元巨人打撃コーチの荒川博氏(享年86)と二人三脚で作り上げた「1本足打法」。世界記録更新となる756号を放った時の華麗なフォームを、日刊スポーツ評論家の篠塚和典氏(59)が分析した。

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この打法を作り上げるまでの苦労が、体に染みこんでいる。そういう思いで見ると芸術作品を見ているような気持ちになる。最初から順を追って素晴らしいポイントを見ていこう。まず①ではスッと自然体で立ち、力みが感じられない。②と③で右足を上げる動作を行う時、左足は全く動くことがなく、余分な動きがない。だから、この1本足打法は美しく見えるのだと思う。

①から④の素手でバットを握る右手のところに注目してほしい。手首が少し内側に折れ曲がっているのが分かる。バットを手のひらではなく、指先の方で持っているから、こういう関節の動きになるのだが、王さんの場合、これが柔らかさを生み出している。手首のコックを使うことでバットのヘッドスピードを上げている。

王さんのスイングからは力感がそれほどは感じられない。これもスイングを速くすることにつながっている。体の外側から力んでしまうと、筋肉が邪魔をして、速いスイングをすることは難しい。しかし、体の内側に力をためることで、力感は感じさせないにもかかわらず、素早い動きをすることが可能になる。

④で腰から投手に向かっていく姿勢をつくり、柔らかい動きの中でも、力をためているのが⑤の姿勢に出ている。また、④から⑥にかけて、バットを寝かせる動きをすることで、どの位置にボールが来ても振れる準備をしている。⑥の形を見てもらえば、ストライクゾーンのどこにボールが来ても捉えそうな雰囲気を感じられるだろう。