握りしめた拳を両太ももに打ち付けた妻 家族とつかんだ15年V/ヤクルト石川手記

リーグ連覇に敬意を表し、東京ヤクルトスワローズが優勝した当時の独占手記を復刻します。まずは2015年、リーグV時の石川雅規投手。チームの絆、家族の絆がダイレクトに伝わってきます。(2015年10月3日掲載。所属、年齢などは当時)

プロ野球

ヤクルトをチームリーダーとしてけん引した石川雅規投手(35)が、日刊スポーツに手記を寄せた。14年目にして初めてつかんだ優勝。家族への感謝の気持ち、巨人との因縁などを素直な言葉で記した。

◆石川雅規(いしかわ・まさのり)1980年(昭55)1月22日、秋田市生まれ。秋田商―青学大を経て01年の自由獲得枠でヤクルト入団。大学通算23勝。00年シドニー五輪日本代表。02年に12勝挙げ新人王。08年に最優秀防御率、ゴールデングラブ賞。老練な投球術は健在で、昨季は大卒投手として史上初となる新人から20年連続勝利を達成した。通算177勝176敗、防御率3・86。2022年の今季年俸は推定9000万円。家族は夫人と2男。左投げ左打ち。167センチ、69キロ。血液型A。

投球術にフォーカスされがちだが、マウンドでの闘争心も屈指。ガッツポーズは代名詞だ=2015年9月22日

投球術にフォーカスされがちだが、マウンドでの闘争心も屈指。ガッツポーズは代名詞だ=2015年9月22日

青あざ「どうしたの?」

この日を待っていた。去年、巨人のビールかけをテレビで見た息子たちから「お父さんのビールかけが見たい」と言われていたので、実現できて本当に良かった。

入団した02年のキャンプでは、浦添市民球場にチャンピオンフラッグがたなびいていて、周りはすごい選手ばかり。優勝を身近に感じていたのに、14年もかかってしまった。ファンの皆様、お待たせしてしまい、すみませんでした !

優勝から遠ざかっていた間は、悔しいけど負け癖がついていると感じていた。冷静になれず、ファンのやじに言い返してしまうこともあった。

もう悔しい思いをしたくなかったから、優勝を知る先輩たちの姿勢をまねした。練習のための準備に、時間をかけるようになったのは、宮本さんや相川さんのおかげ。2人がアップのための準備を入念にしていたのを見習った。

実は、疲労からか、毎朝、目が覚めると左手の小指と薬指の感覚がなかった。それを丁寧にほぐすことから始める毎日だった。

毎年、優勝に挑み、はね返された。1人では心が折れていたかもしれない。家族の存在が大きかった。妻は僕と同じように、試合に向けて緊張して、戦ってくれる。

先日、短パンからのぞいた両太ももに青あざがあるのを見て驚いた。「どうしたの?」と聞いたら、握り拳を太ももに打ち付けながら応援していたら、そうなったと。頭が下がる思いだった。

19歳の時、青学大の文学部で知り合い、結婚が決まると、せっかく就いたキャビンアテンダントの仕事も1年で辞めてくれた。妻にとっても待ちわびた優勝だっただろう。感謝は言い尽くせない。

今季、潮目になった試合が2つある。