上原浩治の貴重なメジャー初勝利手記を復刻「松井さんのおかげで喜びは倍増した」
2013年、ボストン・レッドソックスのクローザーとして世界を極めた上原浩治投手。第1歩のメジャー初登板、初勝利はその4年前、09年の4月8日(日本時間9日)でした。ボルティモア・オリオールズ時代の貴重な手記をどうぞ。
MLB
【ボルティモア(米メリーランド州)8日(日本時間9日)】オリオールズ上原浩治投手(34)がメジャー初登板初勝利の感激を手記で激白した。開幕2戦目のヤンキース戦で先発デビューし初勝利を挙げた。巨人時代の先輩となる4番松井秀喜外野手(34)を二ゴロ、遊直、左飛と3打数無安打に抑え、5回を5安打1失点と好投。大量リードで勝利投手の権利を得た5回86球でお役御免の交代となったが、9回には1発同点の場面で松井が登場。最後は冷や汗ものの勝利となったが、夢のメジャーデビュー勝利に浸った。
◆上原浩治(うえはら・こうじ)1975年(昭50)4月3日、大阪府寝屋川市生まれ。東海大仰星から1浪して大体大進学。98年ドラフト1位で巨人入団。2度の沢村賞などエースとして活躍した。08年オフ、FAでオリオールズ移籍。レッドソックス時代の13年、抑えでワールドシリーズ制覇。大リーグでは4球団でプレーし、18年に巨人復帰。19年5月に引退。04年アテネ五輪、06年WBC、08年北京五輪代表。国際大会の通算成績は、大体大時代を含め25試合で12勝0敗2セーブ、防御率1・92。06年WBCでは準決勝の韓国戦で勝利投手になるなど優勝に貢献。現役時代は187センチ、87キロ。右投げ右打ち。
目標3勝を上方修正
実は最高にドキドキしたのは、マウンドで投げている時じゃなかった。2点リードの9回2死二塁で、バッターは松井さん。1発出れば同点で、メジャー初勝利も消えてしまう。
そんなに簡単にホームランなんて打てないとは思うけど、打席でメチャクチャ雰囲気があった。マウンドで投げている時は緊張なんてしなかったけど、マジでやばいと思っていた。
巨人にいた時、何度も松井さんのホームランを見ていたから。自分が投げる試合には、特によく打ってくれた印象がある。
試合でどんなにいいピッチングをしていても、松井さんがホームランを打って、よく新聞の1面を松井さんにもっていかれた。今日もオレの活躍を松井さんが消してしまうって、そんな不安が心の中から消えなかった。
そんな中でのメジャー初勝利。普通に勝ってもうれしかったと思うけど、最後にドキドキさせてくれた松井さんのおかげで喜びは倍増した。3打席、松井さんを抑えられ、そして最後の緊迫した場面で松井さんでゲームセット。因縁めいた勝ち星だったと、つくづく思う。本当にうれしい白星になった。
自分の勝利もうれしいけど、チームが強いヤンキースに勝てたことが一番うれしかった。
