二刀流の胎動 大谷翔平ルーキー時代の打撃フォームを連続写真で徹底解析/解体新書

ルーキー時代の2013年、初キャンプに臨んだ大谷翔平の打撃フォームをご覧ください。メジャーでMVPを獲得する胎動が、そこかしこに。職人の篠塚和典氏が掘り下げます。(2013年2月23日掲載。所属、年齢などは当時)

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注目新人のプレーに迫る「ルーキー解体新書」の最終回は、日本ハムのドラフト1位大谷翔平投手(18=花巻東)の打撃。投打の〝二刀流〟に挑む大型新人の動きを日刊スポーツ評論家の篠塚和典氏(55)が分析した。

※スマホの方は最下部に横画像があります

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打者として、大きな才能を感じさせる打撃フォームと言っていい。

傑出しているのは体の回転で打っているというところ。この写真は紅白戦で直球を左前打にしたところだが、 ①~⑧まで、体の中心がほとんどズレていない。

⑩では頭の位置がやや後ろにいくのも、体の軸回転で打ちにいき、バットのヘッドを走らせるためで、ホームラン打者の特徴でもある。同じ右投げ左打ちのホームラン打者、松井秀喜選手の打撃フォームによく似ている。

打ち方はシンプルで基本に忠実だ。

特に素晴らしいのは ①~⑧までのバットの出方。⑥と⑦ではしっかりとバットのヘッドが頭の後ろに入り、⑧では体に巻き付くようにバットが内側から出ている。このような形で打てる打者は、体が前(投手方向)に出にくく、打ちにいく球との距離もしっかりと取れるため、強い打球を打つことができる。

直球系の球に多少、差し込まれても逆方向に打ち返せる。投手がタイミングを外すようなカーブやチェンジアップ系の球にも、体が前に出にくいため、対応しやすい。この連続写真のヒットは、大谷の懐の深さを証明している。