【忘れられない味〈6〉お好み焼きが紡ぐ縁】駅伝・原晋監督と開星・野々村監督の間に
記者には「忘れられない味」がある-。2年前に日刊スポーツ紙面で連載したシリーズのSeason2。取材先で、仕事の合間に、または仕事から離れた日常に出会う味は、原稿の絶妙な「調味料」になります。記者のサイドストーリーをご賞味ください!
その他野球
まだ野球担当ではなかった時のこと。マスクなど必需品でなく、新型コロナウイルスというものもない4年前。当時、陸上競技の担当だった。秋の駅伝シーズンの幕開けを告げる出雲全日本大学選抜駅伝の前日。青学大の原晋監督(55)に呼んでいただいた。
場所は出雲市駅からタクシーで10分ほど。お好み焼き店だった。原監督は言った。
★教え子への愛に意気投合
「今日は特別ゲストも来ているから」
扉が開き、店内に入る。いかつい風貌、ただ者ではないオーラを放つ男性が座っている。茶色の羽織に色味の入ったメガネ。
人はいつしか「ヤクザ監督」とも呼んだ。当時は監督の立場からは離れていた開星(島根)の野々村直通監督(70)だった。
開星高野球部と青学大長距離陸上部。ともにチームを弱小から強豪に育て上げた。とはいえ、何とも不思議な空間である。
少し“昭和的”というか、昔ながらの雰囲気を醸す闘将と、テレビにも積極的に出演し、“新しい風”を吹き込んだ名将。
競技も違い、世間のイメージは、正反対かもしれない。その2人が酒を片手に、つまみやお好み焼きをほお張りながら、語り合っている。
