【忘れられない味〈9〉ケンタのAJセット】ストーカーじみた愛…ひたすらむさぼった

記者には「忘れられない味」がある-。2年前に日刊スポーツ紙面で連載したシリーズのSeason2。取材先で、仕事の合間に、または仕事から離れた日常に出会う味は、原稿の絶妙な「調味料」になります。記者のサイドストーリーをご賞味ください!

その他野球

狂気じみた愛に染まっていた。まだ大学生だった13年、1人の助っ人のとりこになっていた。アンドリュー・ジョーンズ。

当時のKスタ宮城内のケンタッキーに、その4番打者にちなんだメニューがあった。「AJセット」。

オリジナルチキン4ピースとビスケットが2個。本人が試合前によく食べていたものを再現したものだった。

★開門同時のルーティン

一楽天ファンだった当時は、開門同時のケンタッキーがルーティンだった。注文後は飽きずに毎回チキンにかじりつくAJパネルの前で、同じポーズをして写真撮影。

左翼席に座り「今ごろAJも食べているのか」と妄想を膨らませ、むさぼった。白い背番号「25」のユニホームに油が跳ねないよう、細心の注意を払いながらも、手はベトベト。完食後は入念に手を洗って、試合開始に備えた。

いわずと知れた大リーグのレジェンド。想像もつかないような金額の料理を毎日食べているのかと思っていたため、「KFC」の3文字に親近感を持った。

豪快なフォームで本塁打を放つ=2014年5月

豪快なフォームで本塁打を放つ=2014年5月

「ケンタッキーを食べればAJに1歩近づけるのではないか」と本気で思った。そんなことは絶対ないはずなのに。

近づけたのは胸囲120センチ超えの、はと胸のみだった。