大越キャスター あのマグワイアに真っ向勝負/東京6大学を語ろう〈2〉【東大編】
「報道ステーション」の顔・大越健介キャスターは、東大野球部史上屈指の好投手でした。NHK時代、神宮で野球をする喜びを語ってくれました。(2015年9月9日掲載。所属、年齢などは当時。敬称略)
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80年代前半の東大には、内角を突く強気な投球で通算8勝(27敗)を挙げた右のサイドスローがいた。NHK「ニュースウオッチ9」前キャスターで、現在はNHK記者主幹を務める大越健介(54)だ。83年の日米大学野球選手権では国立大史上初の代表入りし、甲子園では後にメジャー通算583本塁打を放ったマーク・マグワイア(51=元カージナルス)とも対戦した。
国立大初のジャパン入り
視線の18・44メートル先では、後のメジャー本塁打王がバットを構えていた。
後ろを守るのは広沢克己、和田豊、小早川毅彦ら後のプロ選手ばかり。83年の日米大学野球第3戦。大越は「広沢たちから『冷静にいけ』って言われても、相手がマグワイアで、声をかけてくれるのもすごいメンバー。冷静になれるはずがないでしょう」と豪快に笑った。結果は左前打だったが「今でも自慢話です」と眼鏡の奥の目元が緩んだ。
◆大越健介(おおこし・けんすけ)1961年(昭36)8月25日、新潟県生まれ。東大では1年時は内野手、2年から本格的に投手。在学8シーズンで4位1回、5位3回。通算50試合に登板し8勝27敗、防御率3・52。
85年にNHK入局。05年にワシントン特派員、07年に同支局長。10年3月から15年3月まで「ニュースウオッチ9」キャスターを務めた。21年に同局を定年退職し、同年秋から「報道―」のメインキャスター。
神宮でのプレーを夢見て東大を志した。新潟高3年の春に県で準優勝し、優勝候補で臨んだ夏はベスト8で敗退。地元紙の取材には「もう野球はいいです」と答えたが、テレビで見た夏の甲子園、星稜対箕島の延長18回死闘に心を動かされた。
「また野球をやりたい気持ちが芽生えてきて…。東京6大学野球は特別な人が行く場所だと考えていた。けど、東大の野球部があるじゃないかと。東大なら試合に出られるかと思ったんです」
猛勉強を重ね、1浪の末に合格した。
1年時から頭角を現し、2年の春にはローテの頭を務めるようになった。サイドからの直球とスライダー、内角へのシュート。高校時代のオーバースローと決別し、スピードよりも打ちにくいボールを追い求めた。
「内角に嫌な球を投げる投手がいなかったんですよ。東大ですが緻密な投球ではなく、気迫の真っすぐと内角攻めがスタイル。そうでもしないと、僕みたいな小柄な選手が東京6大学のマウンドで大きくは見えませんよね」。常に真っ向勝負を身上とした。
