【あの夏1998:松坂大輔の決勝ノーノー】怪物が平成のアイコンとなった8・22

8月20日前後って、素晴らしい試合がぎっしり詰まっているんですよね。データベースに宝物が並んでいます。すべてを紹介したいんですが…別の機会に譲って、絶対に外せないこちらを。誰もが知ってる写真の訴求力。24年前の、歳月を感じる味わいある筆致。(1998年8月23日掲載。所属、年齢などは当時)

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胴上げ写真は右サイドに刮目。小池正晃と後藤武敏の笑顔が最高。強いわけです

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すごいぞ、松坂! 5万5000の大観衆がしびれた。横浜(東神奈川)対京都成章(京都)の決勝。横浜のエース松坂大輔(3年)が、ノーヒットノーランの快挙で春夏連覇を決めた。無安打無得点試合は今大会2度目で、決勝では1939年(昭14)の海草中(現向陽)・島以来59年ぶり。春夏連続Vは87年PL学園以来11年ぶり5度目だ。史上最強軍団がついに4102校の頂点に立った。

★震える声 怪物の目にも涙

松坂は、最後の最後まで怪物だった。

9回表2死一塁。超満員、5万5000人をのみ込んだ甲子園に「マツザカ」コールがこだまする。史上5校目の春夏連覇と、59年ぶりの決勝ノーヒットノーラン達成まで、あと一人。「ここまできたら三振で決めてやる」。3番田中をカウント2―2と追い込み、最後は外角低めのスライダーで空振り三振に切った。

その瞬間、松坂は両腕を天に突き上げ、くるりと1回転して喜びを爆発させた。「ノーヒットノーランよりも優勝の方がうれしい。最後の夏は納得のいく投球ができて、みんなに感謝しています」。お立ち台で声が震えていた。

宿舎で勝利の美酒…ではなく、エビフライ。被写体との距離感がうらやましい

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