【球児レシピ〈1〉平塚学園】白米1日2・5キロ!就寝30分前にもどんぶり飯

「野球の国から」アーカイブ群より「球児レシピ」を送ります。ひと冬を越した球児が、別人のように大きくなっている…トレーニングはもちろん、体作りの原点である食事にも大きな理由があります。各校それぞれの工夫を紹介します。みんな、大きくなれよ~!(2016年6月14日掲載。所属などは当時)

高校野球

第98回全国高校野球選手権の各地区大会が、間もなく開幕する。育ち盛りの高校球児にとって、食事に気を配ることは「食トレ」とも言われ、練習と同じくらい重要な要素となっている。大きく丈夫な選手たちの体は、どのようにつくられているのか。「球児レシピ」と題して、高校生の食事に迫る。第1回は白飯を1日2・5キロ食べる、平塚学園(神奈川)を紹介する。

そろって夕食を食べる平塚学園野球部の寮生

そろって夕食を食べる平塚学園野球部の寮生

★朝、昼、練習の合間、夜、夜食

就寝30分前にどんぶり飯をかき込むなんて、メタボのもとだ ! と思う人、多いのではないだろうか。それは運動しない大人の話。平塚学園野球部の寮生たちは、毎晩午後10時過ぎにこれを食べる。しかも夕食とは別に。

自主練習後のリカバリーとして400グラム。はかりで計測し、ふりかけやお茶漬けなど、自由にアレンジする。

「体重をアップするにあたって、食べて寝るのが一番かなという考えです」。寮監を務める川端満コーチ(24)は言う。昼も弁当を届けてもらい、3食きっちり管理する。

朝700グラム、昼400グラム、練習の合間に、おにぎりを400グラム。そして夕食600グラムに夜食400グラム。1日に食べる白飯は合計2・5キロに及ぶ。

平塚学園野球部寮の食堂に、代々貼ってあるという張り紙の1枚

平塚学園野球部寮の食堂に、代々貼ってあるという張り紙の1枚

きっかけは7年前。八木崇文監督(37)の就任1年目だった。当時、高校球児は今より全国的にきゃしゃだった。

「体を大きくしたいと思ったんですよね。親御さんから大事なお子さんを預かっている。ケガしない体をつくるためにも食事だと。消費カロリーを考えたらもっと食べないと」

神奈川には向上、横浜隼人など、通いでも体格のいい強豪校がある。寮生はもちろん、通いの生徒にも補食を取らせた。部員が風邪をひきにくくなった。食事量は年々、増えていった。

2年前までは夕食で一気に1・2キロ食べさせていたが、完食に1時間かかったり、食べきれずに戻す生徒もいた。そこで補食、夕食、夜食に分割した。

体重の増減は川端コーチが週1回、全員分をチェック。増えすぎた場合は、夜食の量を減らして対応する。「僕も毎日寮で食事しますが、ここのはおいしい。自分が高校生の時は作り置きで、冷めたご飯でしたから」。部員の胃袋を支えるのが、小泉巌調理長(59)だ。

豚ロース肉を焼く平塚学園野球部寮の小泉巌調理長。味がなじむように数人分ずつ、繰り返しつくる

豚ロース肉を焼く平塚学園野球部寮の小泉巌調理長。味がなじむように数人分ずつ、繰り返しつくる

ホテルの板前経験があり、かつて自分の店を開いていた。凝った料理もお手の物。だが「ここは彼らの家。シャレたものこさえてもしょうがないじゃない。家庭料理と思って作ってますね」。

取材日の夕食は、豚ロースの焼き肉にホッケの塩焼き。コールスローサラダとウズラの卵の串フライがついた。ご飯が進む甘辛の味付けがポイントだ。