【球児レシピ〈4〉山梨学院】いつ食べるの?今でしょ!食べるタイミングにこだわる
「球児レシピ」最終回は、山梨学院(掲載当時の校名は山梨学院大付)を紹介します。トラウマの懸念もある多食指導…ひと工夫の積み重ねが、大きな差になります。(2016年6月17日掲載。所属、年齢などは当時)
高校野球
「何を」食べるかと同じくらい、「いつ」食べるかが重要だ。「球児レシピ」最終回は、タイミング食事法を取り入れた山梨学院大付を取り上げる。運動後30分以内のゴールデンタイムに栄養を補給。効率のよい体作りを進め、夏の快進撃を狙っている。
多食トラウマ回避も狙う
至ってシンプルだ。山梨学院大付の野球部は練習後、すぐに牛乳を飲む。寮生は30分以内に夕食を取る。
牛乳はタンパク質とカルシウムを同時に取れ、筋肉を内側から冷やす働きがある。1日1リットル、朝から分けて飲みきる。
「ゴールデンタイムを意識してます。タンパク質は1度に吸収できる量が決まっているので、いっぺんにたくさん飲んでも。無駄を無くすのがテーマです」。吉田洸二監督(47)は栄養を「いつ」取るかにこだわっている。
◆ゴールデンタイム一般的に運動終了から30分以内を指す。疲労した筋肉が運動で受けたダメージを回復させるため体にタンパク質を取り込もうとする時間帯。この間に少しでも早くタンパク質や糖質、ビタミンなどを摂取すると良い。栄養補給が遅れると、筋合成するために血中のタンパクが奪われる。
遠征でも「すぐ」の精神は変わらない。市販のプロテインや栄養補助剤を持ち歩く。夕食までのつなぎに、帰りのバスでおにぎりやパンをつまむ。
体が吸収しやすい時間に効率よく食べる。「お金をかけられない県立校で、長く指導してましたから。これなら誰でも実践できるでしょ?」。
06年センバツ。吉田監督率いる清峰(長崎)は、準決勝で前田健太(現ドジャース)擁するPL学園に快勝した。ところが翌日、決勝で横浜に0―21で完敗。連戦を乗り切る体力がなかった。
「中学生と高校生くらい体格が違った。地元の人たちに『技術ならともかく、田舎の学校が体力で負けるとは』と言われました」
そこから食への意識を変えた。本を読み、トレーナーに師事した。
初めは、たくさん食べさせて体を大きくした。実際、今村猛(広島)がいた09年は、それでセンバツを制した。しかしある時、同じように多食指導していた他校野球部員の声を聞いた。
「練習よりもご飯がトラウマになっていた。決まった量を食べさせることで、指導している気になっていたけど、このままだとうちも同じになる、と」。2年後、量に固執するのをやめた。
夏の大会では試合が終わると、取材を受けるより先に100%のオレンジジュースを飲ませた。
疲労回復のためだ。チーズなど乳製品も多く取らせた。「タイミング重視に変えました。でも量を食べていた時と比べても、選手のパフォーマンスは落ちませんでした」。手応えを得て、山梨に赴任した。
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