【深掘り】カーブを投げてみませんか?「フライボール革命」への対抗球でリバイバル
変化球の原点「カーブ」が、フライボール革命に対抗する球種として再注目されています。奥の深~い曲がり球の使い手に、たっぷりじっくり聞きました。繊細な感覚を伝える言葉力が、そろって秀逸です。(2020年3月27日掲載。所属、年齢などは当時)
プロ野球
★岸孝之(楽天/右上手投げ)
名投手からイメージをふくらませた。小学生の頃に元巨人・桑田真澄氏の縦に大きく割れるカーブに憧れた。「当時はカーブ、スライダー、フォークくらいしかなかったですよ(笑い)」。中学時代に試行錯誤して確立した握りは今でも変わらず「縦に抜く感覚。腕の振りは真っすぐと一緒です」。
桑田氏のように大きな弧を描くカウント球とは違い、低めに決め球として活用する際は軌道のふくらみを小さくする。「僕は球種が少ないので大事な球。投げることに勇気がいるボールではないです」と絶対的な自信を持って投げ込んでいる。
★大瀬良大地(広島/右上手投げ)
中学時代に野球本に掲載されていた、当時東海大の久保(現楽天)の握りをまねて投げ始めた。「不器用」と自認する右腕はプロ入り後も、カーブが得意な投手の動画を見て習得を目指したが、思うように操れないという。
「本当はふわっとした(楽天)岸さんのような軌道のカーブを投げたいんですが、抜くような球種があまり得意ではない。だから軌道にはこだわらず、真っすぐ系とのアクセントになればと。緩急をつける球種と割り切るようにしました」。
今では決め球ではなく、力強い真っすぐと切れ味鋭いカットボールの引き立て役として有効に使っている。
★牧田和久(楽天/右下手投げ)
球界屈指のサブマリンは、異競技からインスピレーションを得た。プロ入り後、同投法の元ロッテ渡辺俊介氏がカーブを雑誌で解説していた記事を目にし、参考にした。縫い目に人さし指、中指をかけるシンプルな握り。
「理論的に言えば回転をかければいいので、サッカーボールを蹴り上げるように、下からこすりあげる感じ。ゴルフのロブショット、バスケットボールのレイアップシュートと同じです」と独特の表現で感覚を明かした。
地面すれすれから浮き上がり、沈む。80キロ台後半から90キロ台のカーブは配球における「ティータイム。つかの間の休日みたいな感じ」。出合い頭の1発を浴びるリスク軽減にもつながる。
「打者は基本的に直球を待っていると思う。真っすぐはガツンと打てるけど、その中で遅く甘い球が来たら『きた!』と思う分、ミスショットの確率も高くなると思う」。150キロ超えが当たり前の中、遅球の存在感を示している。
