「どんな送球も受け止める」畠山和洋の巧みなハンドリング/プロの技〈5〉

ファンの方は覚えているでしょう。ヤクルト畠山和洋2軍打撃コーチは現役時代、ゴールデングラブ賞を2度、獲得した一塁守備の名手でした。7年前に解説してくれた「こだわり」をプレーバック。(2015年2月26日掲載。所属、年齢などは当時)

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豪快な見た目を裏切る、繊細な守備。ヤクルト畠山和洋内野手(32)が繰り出す、巧みなハンドリングの秘密に迫る。12年には一塁手でゴールデングラブ賞を獲得している。OBで守備の名手で知られる宮本慎也氏の構えを参考にする素直さを持ちながら、独自路線を貫く強いこだわりも兼ね備えていた。

★宮本慎也を洞察

約100キロの体重からは想像もつかない、繊細な守備。畠山のグラブさばきにナインは注目する。同僚の山田は「何より的が大きい。どれだけ送球がそれても捕ってくれる。だから自分が体勢を崩して、送球しても大丈夫だと思ってしまう」。川端も「アッと思う送球も絶対に捕る。ワンバウンドも畠山さんなら安心できるんです」と絶賛する。

巧みなハンドリングには2つの要因があった。

宮本氏の三塁の守備を参考にした。基本的な構えは左足を前に、右足は後ろに置く。ほとんどの打球を半身で捕る。正面で受けるという定説は通用しない。

畠山宮本さんは半身の印象が強かった。打球を横で捕っているイメージ。最後の最後まで打球の行方を見てるように感じた。

大先輩の構えを参考に、1つの答えが出た。

「自分の視界にしっかりと打球を収めている。捕球時に目を近くすれば、どんなハーフバウンドやイレギュラーの球でも捕りこぼしはなくなる」

一塁、三塁は打者の引っ張る打球が非常に多い。正面で受ければ、顔付近や足元へ襲う強い打球への、とっさの反応にズレが生じると分析。最初から半身の姿勢を保つことで、打球との距離感を詰める。

畠山頭を越える打球だって、半身で距離感を保つことで、打球の勢いがなくなる時に捕球できる。

★半身の副産物

例えば、一塁走者を背負う時。一、二塁間へ抜けそうな打球を体の横の位置で処理することが、走者を刺すことにも生きていた。

「打球を正面、つまり捕手の方向を向いた状態で受ければ、いちいち二塁を向いてから送球しないといけない」。時短の意味でも、半身の状態で逆シングルで捕球することを心がける。「極端に言えば、二塁方向を向いたまま捕球して送球した方が、絶対に早い。コンマ何秒の世界かもしれないけど、全然違う。常に送球できる状態で捕るということが大事だと思っている」と明かした。