【日本ハム週間〈5〉栗山監督と大谷翔平】アッパレは…あげないよ 答えは引退のとき

ウィークデー通しの日本ハム特集。大谷翔平さんに締めてもらいましょう。46本塁打100打点。9勝2敗、防御率3・18。1位満票のMVP。2021年の活躍を手放しで褒めない人は、世界でこの人だけではないでしょうか。胎動から二刀流を見続けている、栗山監督ならではの視点です。(2021年10月5日掲載。所属、年齢などは当時)

プロ野球

エンゼルス大谷翔平(27)が、メジャー4年目のシーズンを終えた。投打二刀流として、世界最高峰のリーグで大旋風を起こし、投打とも超一流のパフォーマンスを発揮した今季。プロ入り当初から二刀流を後押しし、渡米後も温かく見守った日本ハム栗山英樹監督(60)が、「教え子」の1年を総括した。

右から2人目、深々と頭を下げている人が栗山監督。ドラフト指名後、初の直接交渉。メジャー志向の強かった大谷に熱意を伝え、二刀流の育成プランを提示した=2012年11月26日

右から2人目、深々と頭を下げている人が栗山監督。ドラフト指名後、初の直接交渉。メジャー志向の強かった大谷に熱意を伝え、二刀流の育成プランを提示した=2012年11月26日

★比較されてるうちは

─「二刀流」飛躍になった1年。印象にあるのは

いっぱい、あるな~。感動したっていうより、ホッとする? たとえば、投手と打者で出たオールスター。「翔平、そうだよな。誰も歩いたことのない道を歩くって言ったよな」と。

─日本ハム時代、大谷に対して「他人と比較されているうちはダメ」と繰り返し説いた。そういう選手になってきた

まだでしょ。まだ、ベーブ・ルースと比較されているからね。まだ、いける。まだまだ。比較されないっていうのも大事だし、これからどんな新しいことを見せてくれるんだと。それを彼は、すごく面白がっているはず。野球のために自分のために、何をするのか。

─二刀流の危機を感じたことは

クリスマスに札幌ドームで入団発表。栗山監督と1球勝負!=2012年12月25日

クリスマスに札幌ドームで入団発表。栗山監督と1球勝負!=2012年12月25日

一瞬もなかったね。怒ったことは1回あったけど。入団3年目かな、打者の成績が全然上がらなくて。投手の方が下手だから、練習への意識がそちらに重きを置いていた。得意の打つ方も、ちゃんとやらないとダメという意味で叱った。不思議なんだけど(無理だと思ったことは)1回もなかった。