「走ったもん勝ち」の哲学 吉見一起の制球力・トレーニング編/プロの技〈10〉
投球動作を分解し、丁寧にコントロールの秘訣を明かしてくれた吉見一起氏。自身のルーツから「土台の大切さ」を力説します。制球力は一日にして成らず。(2015年8月14日掲載。所属、年齢などは当時)
プロ野球
卓越したコントロールを持つ中日吉見一起投手(30)。制球力を磨くために、アマチュア時代からどのような練習を積んできたのか。答えは意外にもシンプル。「走ること」の重要性を第一に説いた。
★金光大阪の先輩に誘われ
ボール1つ分を出し入れしながら打者を打ち取る技術は、どのようにして培われたのか。アマチュア時代から制球力に定評のあった吉見の原点は、高校(金光大阪)時代にあった。答えはシンプルだった。
吉見僕は軟式上がりで、高校入学時は能力がないペーペー。でも、土日の練習試合で、午前の1試合目を投げ終えた3年生のエースの先輩が、2試合目のときに必ず走りに行くんですが、そのときに1年生の僕だけが「行くぞ」と誘われた。夏までの2~3カ月、毎週毎週、先輩と2人で外野を走っていました。ダッシュ、中距離、ジョギングといろいろ。ほかの1年生は試合に投げているのに。みんなに見られる場所だから気を抜けませんでした。
その走り込み期間が吉見を変えた。「気付いたんです。成長を実感できた。あれで土台を作れた。伸びたな、と思ったのは高校生のそのときです」。
技術うんぬんよりも、走ったことで体の幹=土台を作れたという。
今では「走ったもん勝ち」とまでいう。「強くなっていく体を実感できた。体が強くなるのを感じられると、いろいろなものに興味がわく。そこに気付けたのは良かった。山本昌さんは、50歳近くになっても、めちゃくちゃ走っている。だからあの年齢まで現役でやれていると思う」。
