【97年の伝統 東京6大学野球〈4〉】法大・江川卓に初黒星をつけたのは…東大!

法大時代も無双を誇った江川卓に、東京大学が立ち向かいます。初めての黒星も、被本塁打も。バットを短く持って食らいつき、ジャイアントキリングを果たしました。東大といえば、早慶から勝ち点を奪った、1981年(昭56)春の「赤門旋風」が有名。怪物相手に必死を貫く姿勢に、その源流があったのです。(2015年4月10日掲載。所属、年齢などは当時。文中敬称略)

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第4回は「江川卓に初黒星をつけた東大」。70年代の東京6大学野球を彩ったのは元巨人の江川卓氏(59=野球評論家)だった。作新学院(栃木)から1974年(昭49)に鳴り物入りで法大に入学し、4年間でリーグ歴代2位となる通算47勝を飾り、5度の優勝を経験した。華々しい活躍を遂げ「法大黄金時代」を作り上げた「怪物」に初めて土をつけたのは、何と東大だった。

★5大学の包囲網

渋沢稔(62)は、41年前の輝かしい記憶に目を細めた。

1974年10月5日。東京6大学リーグの法大-東大1回戦。渋沢は東大の3番打者だった。

「江川に勝ったなんて、信じられなかったよ」。法大・江川卓に初めて黒星をつけたのは「赤門パワー」だった。

同年春。法大に「怪物」が入学した。

東京6大学リーグで初登板を果たした江川。威風堂々のフォーム=1974年5月25日

東京6大学リーグで初登板を果たした江川。威風堂々のフォーム=1974年5月25日

作新学院(栃木)時代の73年センバツで4試合計60三振を奪うなど数々の記録を打ち立てた右腕は、秋に本格デビューを果たした。

立大1回戦で延長11回を投げ2安打完封。速球と落差のあるカーブを武器に10三振を奪い、初先発初完封をやってのけた。

続く早大1回戦も5安打完投勝利。当時3年だった渋沢は「あいつを倒さないと、まずいことになるんじゃないか…って。うちだけじゃなくて他の大学もみんな『打倒江川』だったよ」と振り返るように、ルーキー攻略に躍起になった。

★バット短く、大金星

10月5日。ついに、その時が訪れた。法大の先発は江川、東大は山本隆樹(当時4年)だった。