【97年の伝統 東京6大学野球〈5〉】女性誌も「佑観マダム」も斎藤佑樹を追った

神宮のナイター取材でJR信濃町駅の改札を出ると、明らかに人の密度が違う日があり、程なく「佑ちゃんの投げる日か」と分かりました。観客の入れ替えでは、明らかに球場から出てくる人流が太く、プロとアマの人気が逆転したことを目の当りにしました。フィーバーから15年、6大学100周年まで、あと3年。(2015年4月11日掲載。所属、年齢などは当時。文中敬称略)

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2006年(平18)夏の甲子園、青いハンカチを手に、さわやかな笑顔で日本一に輝いた早実(西東京)斎藤佑樹投手(現日本ハム)が、07年に早大に入学した。同年春には、リーグ史上80年ぶりの1年生開幕投手勝利を挙げるなど、神宮球場が「佑ちゃんフィーバー」に沸いた。「東京6大学結成90周年」の最終回は、「第3次黄金時代」と称された、斎藤が在籍した4年間に迫る。

★予想外の開幕戦デビュー

07年4月14日は快晴だった。早大-東大の開幕戦。

1万8000人の観衆が、「ピッチャー斎藤」のアナウンスにどよめいた。

多くのファンが予想していなかった先発デビューで、6回1安打無失点。77年ぶりの新人開幕投手として、80年ぶり勝利を飾った。

東京6大学春季リーグ開幕戦の東大戦で力投=2007年4月14日

東京6大学春季リーグ開幕戦の東大戦で力投=2007年4月14日

試合後、屈託のない笑顔で、「正直甲子園のイメージがあるので満員になるのかと思っていました。まだ神宮の席が空いているので、埋められるよう精いっぱい頑張りたい」と言った。

言葉通り、2カード目の法大戦は2万8000人、最終週の早慶戦には、プロ野球を上回る3万6000人の大観衆が集まった。前年春21万9000人だった総入場者数は、倍近い37万8500人に増加。

その中で斎藤は4勝0敗で優勝に貢献し、1年生投手史上初のベストナインに輝いた。50年代の立大・長嶋茂雄氏、70年代の法大・江川卓氏に続く、「第3次黄金時代」の幕開けだった。

◆早大斎藤の記録07年春の東大戦で開幕戦に先発。リーグ史上、1年春の開幕投手は30年高橋一(帝大=現東大)以来77年ぶり。開幕白星デビューは27年宮武三郎(慶大)以来、80年ぶり2人目だった。1年春に早くも4勝で最多勝、優勝投手、ベストナイン。リーグ通算31勝、323奪三振で「30勝&300奪三振」は秋山登(明大)江川卓(法大)織田淳哉(早大)三沢興一(早大)加藤幹典(慶大)に次ぐ6人目。

★6大学ルービックキューブ

斎藤の存在は、あらゆるものを変えた。

東京都出身。2000年入社。
写真部、盛岡支局を経て、05年11月から野球部に所属。担当歴はロッテ―アマ野球―ヤクルト―アマ野球―NPB―遊軍―巨人。
直近は原監督が復帰した19年から2年間巨人を担当し、21年から野球部デスク。