ソフトバンクらしい挑戦 メタバース「バーチャルPayPayドーム」で現実の先へ
プロ野球観戦に、新しい形が生まれつつあります。ソフトバンクは今季から、プロスポーツ界初のメタバース空間「バーチャルPayPayドーム」サービスを開始しました。まだまだ模索中で、進化を続けるメタバース球場には、どんな可能性があるのでしょうか。バーチャルでのプロ野球観戦には、どんな未来があるのでしょうか。
プロ野球
★仮想空間で楽しむ分身
近年聞かれることの多くなった「メタバース」という言葉だが、一体何なのか。
簡単に説明すると、コンピューターや、コンピューターネットワークの中に構築された、仮想空間やそのサービスのこと。
ユーザーは、アバター(分身のキャラクター)としてその空間に入り、他のユーザーとコミュニケーションを取ったり、買い物などができる。オンラインゲームなどで活用されている例が多い。
★中継映像にない視点も
ソフトバンクホークス球団は、親会社のソフトバンク株式会社と協力し、昨年秋頃からメタバース空間「バーチャルPayPayドーム」の計画を本格始動した。
今年の春季キャンプ期間中には「バーチャル宮崎キャンプ」を実施するなどテストを重ね、5月に「バーチャルPayPayドーム」をプレオープンした。
現時点では外周、コンコース、三塁側コカ・コーラシートなどのエリアがあり、チャットで他のユーザーと会話したり、アバターがジェット風船を飛ばすアクションなどを楽しめる。
来シーズン開幕の頃には本格オープンを目指し、エリアの増設やユーザー登録型への移行なども検討されており、常にサービス拡大を続けている。
「プロ野球」と「メタバース」。一見、異色の組み合わせにはどんな狙いがあるのか。仕掛け人の1人である、ソフトバンクホークス、ブランド推進本部の福島真さんは「普段見られないような視点で、スポーツが見られる可能性があるんじゃないかなと思っています」と明かす。
現在は、試合の配信映像をバーチャル空間内で見ることに加え、実際の投球軌道を再現したCG映像を、捕手目線や打者目線でほぼリアルタイムで体験することができる。
今後の展望について、福島さんは「それこそ、キャッチャーには普通はなれないんですけど、キャッチャー目線でプロ野球を観戦したり。いろんな視点で見られるようになれば。臨場感だったり迫力だったり、非日常感を味わえる」。現在の中継映像だけではない、さまざまな視点でのバーチャル観戦の可能性を示した。
★リアルと食い合わない
一方、テクニカル面の中心人物であるソフトバンク株式会社、サービス企画本部コンテンツ推進統括部の加藤欽一さんは、IT界のパイオニア的な役割にも目を向けている。
「ペイペイドームというのは、ファンのみなさんにも分かりやすいランドマーク。エリアを広げていきつつ、メタバースの成功事例みたいなものをつくっていきたい。これが国内において、メタバースのモデルケースみたいなものになっていくのであれば、非常にうれしい」
バーチャル観戦が普及した場合、通常のプロ野球興業にマイナスの影響はないのだろうか。
