【サヨナラ、札幌ドーム〈2〉】「世界一の投手に」と誓ったダルビッシュ有の〝気場〟
2022年9月28日をもって、日本ハムが札幌ドームを離れます。プロ野球のフランチャイズ制を北海道に定着させた功績は計り知れない、球史に残る球場。主として活躍した選手に思い出を聞きました。投の金看板はもちろん…球場通算最多の46勝、世界最高峰の投手に羽ばたいた、パドレスのダルビッシュ有投手(36)です。
プロ野球
★謹慎処分明けのデビュー戦勝利
正確な記録はない。ただ、マウンド上で「吠(ほ)える」と表現され始めたのは、プロ入り後のダルビッシュが最初ではなかっただろうか。
それまでは、主に「雄たけび」「絶叫」などの言葉だったはずだが、端正な顔立ちのダルビッシュには、不思議と「吠える」の表現が似合っていた。
18歳でデビューした若者は、その後、札幌のマウンドで登板するたびにほえ続け、最多の46勝を積み上げた。
「もちろん、投げやすくて、僕は一番好きでしたし、他球団の選手も札幌ドームに来ると投げやすいから、調子が良くなるみたいなこと言ってましたから。マウンドが高くて投げやすかったです。土とかもすごく良かったので」
初登板となった05年6月15日の広島戦で、9回途中2失点と好投し、プロ初勝利を挙げた。
大型新人として注目されながら、合同自主トレから故障で出遅れ、キャンプ中には未成年での喫煙が発覚。謹慎処分明けのデビュー登板だった。
「やっぱり最初の試合は印象深いというか、初登板初勝利だったので、自分でも思ってもみないような投球ができたし、謹慎とかもあって…ヒーローインタビューの時に、温かい声を掛けて頂いたのは、すごく印象に残っています」
★今でも「F」帽子
前年に本拠地が移転したばかりの北海道初のプロ野球球団。道全体で盛り上げようとする地元ファンの温かさやおおらかさは、活躍の場を米国へ移した今も忘れていない。
「当時は18歳でしたから、そういうところは分からなかったですけど、やっぱりキャリアを通して、どこへ行ってもファイターズのことを愛してくれてましたし、それは自分だけでなく、他の選手もスタッフとかも全員感じていたので」
メジャー挑戦決定後の12年1月24日。札幌ドームで行われた退団会見では、ファンに開放されたスタンドに向かって、直接、自らの思いを伝えた。「世界一の投手になりたい」との決意表明は、単なる思いつきではなかった。
「いっぱい人が来てくれたのは覚えてるんですけど、やっぱり寂しい思いが強かったのを覚えてます」
