
【決算公告】プロ野球お金の話2022 推し球団は黒字? 赤字? コロナ禍と比較
スタジアムに客足が戻った22年シーズン。プロ野球界に景気は戻ったのか?
コロナ禍により20年から続いた入場制限が昨季ついに撤廃。観客動員が以前の水準近くまで回復したことで、各球団の経営状態はどうなったのか? 収益はやっぱり黒字? それとも赤字? どの球団がお金持ちなの? 気になりますよね。プロ野球チームも1つの企業。官報に開示されている決算公告の数字を確認してみました。
プロ野球
巨、中は開示なし オリは当期利益を非公開
今回は21年12月21日に配信したプロ野球お金の話の第2弾として、主にコロナ禍の21年と、入場制限が撤廃された22年シーズンの直近二期の決算の数字をチェックします。なお、前回同様に巨人と中日は、球団単体での決算公告の開示なしのため比較対象外。オリックスの当期利益は非公開となっています。
決算時期は球団により若干異なりますが、直近二期の内容をシーズンの数字として比較。コロナの影響を大きく受けた20年シーズンの数字も比較対象として掲載します。
◆ポイント◆
○22年は3球団が増収:広島、日本ハムが黒字転換。DeNAは黒字拡大
○22年は3球団が減収:ヤクルトは黒字縮小、楽天は赤字転換、ロッテは赤字拡大
○残り4球団(オリックス、西武、ソフトバンク、阪神)は近々発表の予定
○総資産1位はソフトバンク約1107億円。2位は阪神188億円(※数字の出そろっている21年時で比較)
○総資産セ・リーグ最少はヤクルト51億円。パ最少はオリックス28億円(※同上)
○自己資本比率最高は日本ハムの95.3%、最少はオリックスの3.3%(※同上)
まずは主な数字を見てみましょう。
【表1】【表2】【表3】の「当期利益」がシーズン単年の収益にあたります。
まず直近の22年(【表1】)では、現段階で決算公表済み6球団のうち、ヤクルト、広島、DeNA、日本ハムの4球団の「総資産」が増加し、「当期利益」も黒字となっています。
さらに「当期利益」の前年比を見ると、広島と日本ハムが黒字に転換した一方で、楽天は赤字転換するなど、3球団が増収で、3球団で減収となりました。
コロナ禍で入場制限が続いた21年(【表2】)は金額を公表している9球団のうち5球団が赤字でした。
とはいえ、9球団のうち7球団が赤字を計上した20年シーズン(【表3】)に比べれば、ヤクルトと阪神が黒字に転換し、楽天は黒字拡大。広島、ロッテ、日本ハム、西武の4球団が赤字縮小となるなど、7球団が増収となったことが分かります。
ここで19~22年のプロ野球の観客動員を見てみましょう。
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