【球宴MVP】練馬区の怪童ハム万波中正 打たれたバウアーがこの笑顔/連載〈25〉

期待の長距離砲、日本ハム万波中正外野手(23)がプロ5年目で大きな成長を遂げています。前半戦を終えて、15本塁打はパ・リーグ2位。「マイナビオールスターゲーム2023」には選手間投票で選ばれ、初出場。19日の第1戦で史上18人目の初打席本塁打を放つと、20日の第2戦ではサイ・ヤング賞右腕からの豪快な本塁打でMVPを獲得しました。球宴をはずみに、初タイトルを狙います。

プロ野球

◆万波中正(まんなみ・ちゅうせい)2000年(平12)4月7日、コンゴ出身の父と日本人の母の間に生まれた。東京都出身。小2で野球を始め、開進二中では東練馬シニアに所属。陸上部では砲丸投げで都大会優勝。横浜では2年夏、3年の夏甲子園出場。18年ドラフト4位で日本ハム入団。19年8月14日ロッテ戦で1軍デビュー。21年4月10日オリックス戦で初安打。同年6月13日のDeNA戦で初本塁打。22年は自己最多14本塁打。192センチ、96キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸2000万円。

初球宴で連発 敢闘選手賞→MVP

5月に5年目で初の月間MVPを獲得するなど、期待の大砲が今季ブレーク。万波はオールスター第1戦では7回に代打で途中出場し、右翼ポール直撃の本塁打で敢闘選手賞を受賞。第2戦ではDeNAバウアーのスライダーを左中間スタンドに運び、MVPを獲得した。球宴で初出場からの2試合連発は史上初となった。

第1戦でも本塁打。ヤクルト清水の外角直球をたたき、ライトポールに当てた=7月19日、バンテリンドーム

第1戦でも本塁打。ヤクルト清水の外角直球をたたき、ライトポールに当てた=7月19日、バンテリンドーム

万波選手に選んでもらえるのは、ちょっと…1センチくらい(笑い)認められた感じがするので、めちゃめちゃ、うれしい。何歳までにと思っていたわけではなかったんですけど、こんなに早く実現するとは考えてすらいなかった。

昨季は100試合に出場も打率2割3厘、14本塁打。打撃フォームを大幅に見直した今季は打率向上とともに本塁打数も増加し、前半戦を終えて自己最多、リーグ2位の15本塁打を記録している。初タイトルも射程圏内だ。

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