「ダイバン」きっちり阪神・栄枝裕貴…岡田監督のひと言に耳を澄ませ/連載〈30〉
阪神栄枝裕貴捕手(25)は、佐藤輝、中野、伊藤将、村上らが入団した「黄金ドラフト」ともいえる20年のドラフト4位で入団。8月には今季初出場で「代打バント」を成功させました。将来の正捕手候補は「第3捕手」の立ち位置でチームに貢献しようと必死です。先輩の坂本に言われた言葉やベンチで岡田監督の近くに座る理由など、明かしてくれました。
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「ホープに聞く」連載一覧
日本ハム清宮幸太郎選手から始まった連載「ホープに聞く」。2026年のWBC候補を念頭に、これからの飛躍が期待される野球人に、一問一答形式のインタビューを行っています。今後も公開していく予定。どうぞよろしくお願いいたします。
◆栄枝裕貴(さかえだ・ゆうき)1998年(平10)5月16日、高知市生まれ。高知中では軟式野球で全国制覇を経験。高知高で甲子園出場経験はなし。立命大では1年秋からベンチ入りし、3年時には大学日本代表候補合宿に参加。20年ドラフト4位で阪神に入団。プロ2年目昨季、レギュラーシーズン最終戦となった10月2日ヤクルト戦(甲子園)の9回2死一、二塁で代打でプロ初出場を果たし、マクガフからプロ初ヒットとなる右前適時打を放った。背番号39。180センチ、83キロ。右投げ右打ち。
「誠志郎さんも、そういう意識あったんやな」
栄枝は、先輩の過去と自らを重ね合わせている。
同じ捕手の坂本がプロ1年目だった16年8月4日のDeNA戦(横浜)。2点ビハインドの9回無死一、二塁で、坂本はプロ通算6打席目で代打バントを決めた。直後にチームは同点に追いつき、延長戦の末に勝利した。
栄枝は、この「代打バント」を略して「ダイバン」と言う。
栄枝坂本さんには、キャッチャーって「ダイバン」とか、そういう細かいプレーの積み重ねで信頼を得ることが大切だ、と言っていただいたんです。ほんまにそうやなって思いました。誠志郎さん、うまいです。でも、そんな誠志郎さんでも、そういう意識があったんやなって思うと、僕なんか、もっとしっかりやっていかないと試合に出られるチャンスはないんやろなって思ったんです。
そんな「ダイバン」に魂を込めた。8月19日のDeNA戦(横浜)。1点リードの7回表、先頭小幡が右前打で出塁し無死一塁とすると、栄枝は投手桐敷の代打で打席に立った。
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