【2度目の万波中正】キングの夢は2024へ…芽生えた「4番」の執着/連載〈36〉

プロ5年目のシーズンを終えた日本ハム万波中正外野手(23)が、本塁打王争いを繰り広げた今季についてたっぷりと語りました。141試合に出場し、キャリアハイとなる打率2割6分5厘、25本塁打、74打点をマーク。本塁打王のタイトルには1本届きませんでしたが、飛躍の1年となりました。守備面でのこだわりや、新庄剛志監督(51)への思いも聞きました。

プロ野球

◆万波中正(まんなみ・ちゅうせい)2000年(平12)4月7日、コンゴ出身の父と日本人の母の間に生まれた。東京都出身。小2で野球を始め、開進二中では東練馬シニアに所属。陸上部では砲丸投げで都大会優勝。横浜では2年夏、3年の夏甲子園出場。18年ドラフト4位で日本ハム入団。19年8月14日ロッテ戦で1軍デビュー。21年4月10日オリックス戦で初安打。同年6月13日のDeNA戦で初本塁打。22年は自己最多14本塁打。192センチ、96キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸2000万円。

.265&25本「成長する余地ある」

――今季振り返って

万波やっぱりチームの成績が振るわなかったので、すごい悔しい気持ちは常にあります。個人的に今までより成長を感じる1年ではありましたけど、やっぱりチームを勝たせる活躍がまだまだできなかったことで、来シーズンもっと引っ張っていけるように。勝ちに貢献できるようにという思いは、日に日に強くなっていると思います。

――若いメンバーが多い中でどんな思いで戦ってきた

万波年齢に関してはあまり関係ないと思ってますし、オリックスだったり、阪神だったり優勝した2チームも若いチームが中心になって勝っているので、年齢は全然言い訳にならないと思いますし、その中で結果を残せなかったのは、力ながなかった。実力不足かなと思います。

新庄剛志監督(左)とハイタッチ=2023年9月

新庄剛志監督(左)とハイタッチ=2023年9月

――エスコンフィールド1年目に関しては

万波勝っているときも負けているときもたくさんのファンの皆さんが応援に来てくださって、非常にうれしく思うと同時に申し訳なさだったり、情けなさも感じながらの1年間になったと思いますね。

――プレーをしていて感じ方は

万波本当に最高ですし。屋根を閉めていても開放感ありますし、開けたときの光が入ってきれいな球場というのは、僕自身も今までで本当にない球場だと思いますし。プレーする側も見る側も本当に最高じゃないかなと思いますね。

――打率2割6分5厘、本塁打25本。個人成績に関しては

万波最初に立てた目標の数字に何とか近づいていけたのは手応えを感じた部分でもありますし。実際やってみて、まだまだ悪くなったときの対応であったりとか、悪い癖の出方だったりとか、というのはまだまだ修正できていないというのはありますし、成長する余地はまだまだあるなと感じてます。

印象深い9.16「あの1本」

――球界の代表的な打者とタイトル争い。攻められ方の変化は

万波それももちろん、1年間通していろんな攻められ方をされた。ある程度克服できたと思ったら、違う攻め方をされたり。違う攻め方をされたら、対応できたと思ったところが、できなかったり。いろいろな発見があった。シーズンを通してそういうことの繰り返しなのかなと思う。

それを1年間通して経験できたのは大きかった。それも経験だな、と。来年以降、今年の経験を生かして、いろんな数字を伸ばしていきたい。

――印象に残る本塁打は

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