ロッテ松川虎生 99試合の2軍修行を経て、佐々木朗希とコンビ再結成/連載〈37〉
ロッテ松川虎生捕手(19)が“修行”から帰ってきました。プロ1年目の昨季は佐々木朗希投手との“完全試合バッテリー”として注目されましたが、今季は吉井理人監督の方針により、2軍で99試合の試合経験を積みました。投手とのコミュニケーション能力、強気に攻めるインサイドワーク、打撃ではサブロー2軍監督直伝の“左足重要打法”など、攻守にスキルアップ間違いなしです。今春のWBCで、佐々木朗だけでなく、自主トレで弟子入りしているヤクルト中村悠平捕手らが活躍する姿に、侍ジャパンへの思いもさらに強くなりました。野球の種目復活が決まった28年ロサンゼルス五輪での侍正捕手も、明確な目標に加わっています。(サムネイルはCS第1戦の試合後に佐々木朗希と。球団提供)
プロ野球
「ホープに聞く」連載一覧
日本ハム清宮幸太郎選手から始まった連載「ホープに聞く」。2026年のWBC候補を念頭に、これからの飛躍が期待される野球人に、一問一答形式のインタビューを行っています。今後も公開していく予定。どうぞよろしくお願いいたします。
◆松川虎生(まつかわ・こう)2003年(平15)10月20日、大阪・阪南市生まれ。鳥取東中では貝塚ヤングに所属。市和歌山では3年春にセンバツ出場。高校通算43本塁打。21年ドラフト1位でロッテ入り。1年目の昨季は、高卒新人捕手では史上3人目となる開幕戦先発出場。4月10日オリックス戦で最終回までマスクをかぶり、佐々木朗の完全試合をアシストした。球宴では高卒新人捕手で初のファン投票選出。ルーキーイヤーは76試合出場、185打数32安打、0本塁打、14打点、打率1割7分3厘。今季は2年連続で開幕1軍を迎えたが、4月中旬に2軍降格し、9月末に再昇格。10月は3試合でスタメンマスクをかぶり、スタメン時は2勝1敗でチームの2位浮上、CS進出に貢献した。23年は9試合で18打数3安打、0本塁打、1打点、打率1割6分6厘。178センチ、98キロ。右投げ右打ち。推定年俸2400万円。
4/12「修行」開始→9/28復帰
――今年1年は2軍を主体に出場したが、吉井監督から“修行”を4月12日に伝えられた時の思いは
松川ベルーナドームで監督室に行ったんです。あまり試合に出ていなかったので、「下でいっぱい試合に出て、いっぱい打席に立って、どんどん結果を出して上がってきてほしい」と言っていただいた。
初めはすごく悔しかったですけれど、そういう言葉をいただいて、僕にとってすごく大事な時間じゃないかなと感じましたし、ファーム(2軍)に行っても、たくさん試合に出せていただいたので、勉強というところもそうですし、1軍にいる時よりも試合に出られたので、すごく良い経験になったと思います。
――1番伸ばさなきゃいけないと感じていたことは
松川すべてレベルアップしないといけないなと感じていましたけれど、まずは守備力というところで、ピッチャーとのコミュニケーション。受けたことのないピッチャーもたくさんいました。
2軍のピッチャーの中でもしっかり話し合いながら、バッターに対する配球をするというところと、相手の打線のつながり方だったり、縦、横のつながりというところもあると思うので、そこでどう攻めていくべきかということも、試合中で変えるべきところもたくさんあると思うので。ます守備力を上げていくこと。
あとはバッティングの部分もレベルアップしないといけないと思っています。守備の時は守備、バッティングの時はバッティングという切り替えを意識してやってきました。
――打撃で去年までとは違うコーチ陣にも指導を受けた。新たな発見や収穫は
松川栗原さん(打撃コーチ)に試合終わってからもずっと教えていただいて、タイミングの取り方だったり間の取り方だったりだんだん分かってきた。サブローさん(2軍監督)には左足を着くタイミングが遅いと言われていたので、左足を先に着いて、いつでもしっかりボールを振りにいくところ。
まだまだ遅いので差し込まれたりする。試合の映像だったりを見て遅いなと感じています。しっかり前から、だんだんと合わせていくこと。空振りも全然OKということも教えていただいたので、そこを今はしっかりやっていますね。
――左足を着いてからの対応は、どう磨いている
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