【2023年9月6日】タクシーに身を沈めていた巨人・中山礼都に1通のLINEが…

忘れられない1日はありますか? うれしかった時、悲しかった時、悔しかった時…。今季、1年間1度も出場選手登録を抹消されることなく、1軍で走りきった巨人中山礼都内野手(21)には、悔しくて忘れられない1日がありました。4打席連続三振&1エラーと散々だった9月6日ヤクルト戦。ぼうぜんとした失意の状況下で、帰宅途中に1通のLINEメッセージが…若武者の忘れられない1日に迫ります。

プロ野球

◆中山礼都(なかやま・らいと)2002年(平14)4月12日、愛知県生まれ。沢上中時代は東海ボーイズに所属。中京大中京では1年夏からベンチ入り。2年秋に明治神宮大会で優勝。20年ドラフト3位で巨人入団。2年目の22年5月3日広島戦で1軍デビュー。。今季は78試合に出場し、2割3分9厘、0本塁打、3打点。「礼都(らいと)」は高橋由伸やイチローら、名右翼手にちなんで名付けられた。182センチ、82キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸1260万円。

空振り三振、空振り三振、空振り三振、空振り三振、悪送球

忘れられないその日は、まだまだ暑さの残る9月6日だった。

敵地・神宮でのヤクルト戦に「8番三塁」でスタメン出場。サイドスロー右腕の相手先発・小沢対策として、左打者の中山がスタメンに名を連ねた。

2回2死一塁の第1打席。変化球2球で簡単に追い込まれ、2つのボール球を挟んで外角高め直球に空振り三振。2打席目は直球2球で追い込まれて、カーブで空振り三振に打ち取られた。

苦難は続く。1点リードした6回には追い込まれてから吉川が二盗を決めて2死二塁とチャンスも、フォークで空振り三振。

2点を追う8回には、4番手星に直球を続けられて4打席連続の空振り三振という屈辱を味わった。

さらに尾を引くように8回無死、一塁へ悪送球してピンチを招いた。チームは2点差で敗戦。試合後、他の選手が荷物を整理してクラブハウスへと引き揚げる中、ベンチから動けなかった。ぼうぜんとした表情でグラウンドを見つめ続けた。情けない現実を突きつけられた。

「勇人が若いころはヤジを言ってきたお客さんをにらみ返してたぞ」

忘れられない夜には続きがある。

試合後、悔しさをかみしめながらタクシーに乗って帰宅していると、1通のLINEが届いた。

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