高校もプロも髪形が話題になった野球界で、ほんとにあったロン毛の評価

日刊スポーツは1946年(昭21)3月6日に第1号を発刊してから、これまで約2万8000号もの新聞を発行しています。昭和、平成、そして令和と、それぞれの時代を数多くの記事や写真、そして見出しで報じてきました。日刊スポーツプレミアムでは「日刊スポーツ28000号の旅 ~新聞78年分全部読んでみた~」と題し、日刊スポーツが報じてきた名場面を、ベテラン記者の解説とともにリバイバルします。懐かしい時代、できごとを振り返りながら、あらためてスポーツの素晴らしさやスターの魅力を見つけ出していきましょう。今回は何かと野球界で話題になった髪形について、とかく、その記事が多い西武を中心に追究してみました。

プロ野球

丸刈り球児は全体の26.4%まで減少

今年の夏の甲子園で107年ぶりの優勝を果たし応援席へ駆け出す慶応の選手たち。丸刈りの選手がいないことで話題になりました

今年の夏の甲子園で107年ぶりの優勝を果たし応援席へ駆け出す慶応の選手たち。丸刈りの選手がいないことで話題になりました

今年の夏、中学野球の全国大会を取材していたら、脱帽して一礼したあるチームの選手の頭が、そろって丸刈りでした。テカテカ、キラキラ…。すがすがしい気持ちで見ていたら、若い女性記者が「今どきじゃないですね」だって。ちょうど、夏の甲子園で優勝した慶応(神奈川)のエンジョイベースボールの象徴のように、彼らの自由な髪形が話題になっていました。称賛とともに、「らしくない」の声も飛ぶなど、賛否両論。大会前の高野連と朝日新聞の調査では、5年前、全体の76.8%が丸刈りだったのが、今年の調査で26.4%まで減少していました。もはや、丸刈りの方が少ないのに、ことさら話題にする方が、時代遅れなんです。「今どきじゃない」のは確かにそうだけど…。髪形が持つ印象は、世代や個々によって、大きく違うんです。

「西武」「髪」で検索してみた

さて、プロ野球でも髪形が話題になりました。

6月の株式会社西武ホールディングスの定時株主総会で、選手の長髪やユニホームの着こなしを問題視する質問がありました。高橋光成投手(26)や今井達也投手(25)のロン毛を指してのものでしたが、髪形がチームの成績不振の原因にみられてしまうのも、プロ野球選手の宿命かもしれません。ただし、西武の場合、ロン毛や茶髪が、えらい人に認められ推奨された歴史もあるんです。一方でバッサリいかれたことも。日刊スポーツ統合データベースで「西武」「髪」を検索してみました。

今年6月22日付の紙面。山川の問題もあり、「風紀の乱れ」が気になったのか…

今年6月22日付の紙面。山川の問題もあり、「風紀の乱れ」が気になったのか…

今年6月22日の紙面に西武HDの株主総会の記事が掲載されていました。質問した株主さんは選手の心中も察しながら、当時借金13に苦しむチーム状況から抑えきれない気持ちを、素直に口にしたのです。

「本人たちは獅子をイメージしてると思うんですけど、周りから見てどうかなと。スポーツ選手としてどうかなと思う点があります」。

実は今年春先、久しぶりにグラウンド取材が可能になったベルーナドームに行ってきました。長くプロ野球取材から離れていたので、プロ野球選手を間近にするのは、十数年ぶり。目の前を練習を終えた身長190センチの高橋が通り過ぎると、168センチの私の目の前をふわふわロン毛が過ぎていきました。おお、ここまで長いのか…うらやましくはないけれど、マネができない55歳の春でした。

高橋が長髪へのこだわりを初めて語った記事が、21年3月26日付にありました。

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編集委員

久我悟Satoru Kuga

Okayama

1967年生まれ、岡山県出身。1990年入社。
整理部を経て93年秋から芸能記者、98年秋から野球記者に。西武、メジャーリーグ、高校野球などを取材して、2005年に球団1年目の楽天の97敗を見届けたのを最後に芸能デスクに。
静岡支局長、文化社会部長を務め、最近は中学硬式野球の特集ページを編集している。