【石井大智の場合】帰宅は午前3時…忘れられないプロ初勝利その夜/アレの備忘録2

38年ぶりの日本一に輝いた阪神。セ・リーグで2位広島に11・5ゲーム差をつけ、CSも3連勝(プラスアドバンテージ1勝)で無傷の突破を果たしました。「我らも岡田阪神V戦士」と題し、レギュラー陣を支える渋いけれど欠かせない虎戦士に迫りました。第2回は、負傷を乗り越え勝ちパターンの一角を担った石井大智投手(26)です。

プロ野球

◆石井大智(いしい・だいち)1997年(平9)7月29日生まれ、秋田市出身。小3から野球を始め、秋田東中では成田翔(現ヤクルト)とチームメート。秋田高専を経て、18年から四国IL・高知でプレー。20年ドラフト8位で阪神入団。21年3月26日ヤクルト戦で1軍デビュー。今季推定年俸1250万円。175センチ、77キロ。右投げ右打ち。

「ヤバイな…」

石井がショッキングな大ケガを乗り越え、日本一のリリーバーの一員になった。

悲劇が襲ったのは5月11日のヤクルト戦(甲子園)。1―1の8回に2番手で登板し、1イニング無失点。その裏に味方打線が逆転に成功したため、プロ初白星が転がり込んできた。

アドレナリンが出まくりの聖地でのマウンドを終えると、嫌な脂汗が噴き出てきた。興奮が冷めていくほど腰の痛みが強くなっていった。「ヤバイな…」。

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