【渡辺諒の場合】由伸崩しの刺客 岡田監督の言葉に覇気もらい大仕事/アレの備忘録5

38年ぶりの日本一に輝いた阪神。セ・リーグで2位広島に11・5ゲーム差をつけ、CSも3連勝(プラスアドバンテージ1勝)で無傷の突破した。「我らも岡田阪神V戦士」と題し、レギュラー陣を支える渋いけれど欠かせない虎戦士に迫った。最終回は日本シリーズ第1戦で「7番DH」に抜てきされた渡辺諒内野手(28)です。

プロ野球

◆渡辺諒(わたなべ・りょう)1995年(平7)4月30日生まれ、茨城県出身。東海大甲府から13年ドラフトで日本ハム栗山監督が松井裕(桐光学園)、柿田(日本生命)、岩貞(横浜商大)と抽選3連敗後に1位指名で入団。19年には自己最多の126安打、11本塁打。22年オフ、交換トレードで阪神移籍。今季は59試合に出場し打率1割7分7厘、2本塁打、10打点。178センチ、86キロ。右投げ右打ち。

155キロに食らいつき

59年ぶりの関西シリーズは阪神の日本一で幕を閉じた。

7試合の激闘にはいくつもの分岐点があった。初戦の隠れたヒーローは渡辺諒だった。

10月28日の日本シリーズ第1戦。京セラドーム大阪からスタートするシリーズで、阪神のDHに誰が起用されるが世間が注目された。

岡田監督が抜てきしたのは背番号25だった。対戦投手は絶対的エースのオリックス山本。第1打席は3球三振に倒れた後に臨んだ、5回の2打席目にチャンスが巡ってきた。

先頭佐藤輝が中前打で出塁し、直後に二盗を成功。なおも続く1死三塁、渡辺諒は山本の155キロ初球に食らいついた。

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