【中日・松田亘哲】イップス経験した名大左腕 伝える側に/さよならプロ野球〈14〉

引退―。プロ野球選手にとって不可避の岐路は、新たな人生への「入団」でもあります。オフ恒例の大河企画「さよならプロ野球」で、青年たちの希望の光を追います。2023年の第2弾は中日・松田亘哲投手(26)。

プロ野球

◆松田亘哲(まつだ・ひろあき)1997年(平9)5月16日生まれ、愛知県出身。中学まで軟式野球、江南高ではバレーボール部に所属。名大に進学し野球を再開。大学での専攻は「西洋経済史」。19年育成ドラフト1位で中日入団。今季ウエスタン・リーグ12試合に登板し、0勝0敗、10イニング 1/3 、自責点8、防御率6・97。在籍4年で1軍公式戦の登板はなし。176センチ、80キロ。左投げ左打ち。

グラゼニばり黒縁

取材される側から、する側へ―。戦力外通告を受けた松田は、現役4年間とは180度違う生き方を目指している。

「伝えられたら面白い」。愛知県出身の左腕。在名テレビ局などへの就職活動を続けている。

19年育成ドラフト1位で入団した。旧帝大の名大から初のプロ野球選手。人気漫画「グラゼニ」の主人公・凡田夏之介のような黒縁メガネも注目を集めた。

1年目は体力不足と左肩痛もあり、登板機会はゼロ。2年目から2軍で実戦経験を積んだ。

3年目の22年6月12日、ウエスタン・リーグ、オリックス戦(ナゴヤ)がベストピッチと振り返る。

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