【ソフトバンク・奥村政稔】青臭くとも…若鷹に伝えたい/さよならプロ野球〈19〉

引退―。プロ野球選手にとって不可避の岐路は、新たな人生への「入団」でもあります。オフ恒例の大河企画「さよならプロ野球」で、青年たちの希望の光を追います。2023年の第7弾は、ソフトバンク・奥村政稔投手(31)。

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◆奥村政稔(おくむら・まさと)1992年(平4)8月14日生まれ、大分県出身。中津商から九州国際大へ進学後、2年で中退し社会人の三菱重工長崎へ。その後、チーム統合により、三菱日立パワーシステムズでプレーした。18年ドラフト7位でソフトバンク入団。22年9月末に右肘を手術し、育成契約を結んだ。176センチ、79キロ。右投げ右打ち。

4軍ファーム投手コーチ補佐

投球後の目線は、捕手方向にはない。右腕を振れば毎回マウンドの土が視界を覆う。

ソフトバンクの奥村政稔投手(31)は、最速154キロの真っすぐを武器に、体を目いっぱい使う豪快なフォームが特徴だった。

5年目を終えた今季限りで現役を引退。来季は4軍ファーム投手コーチ補佐に就任する。

「事務所で『構想外です』と言われ、その場で来年から選手でやることはないと決めました。

選手に近いところでまたやれたらうれしいです、という話をしていて、一番近いところにしてもらった。うれしかったです」

18年ドラフト7位でソフトバンクに入団。妻子ある26歳のオールドルーキーだった。大学中退や社会人チームの統合、単身赴任などさまざまな経験を経て、プロ入りの夢をかなえた。

1軍通算は21試合で0勝1敗、3ホールド、防御率4・73。昨季はプロ初先発を含む4試合に登板し、防御率0・90の成績を残した。現役生活は短かったが悔いはない。今はもう、新たな情熱が湧いている。

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