【広島・一岡竜司】自力CSかかる大一番で引退登板…感謝/さよならプロ野球〈22〉

引退―。プロ野球選手にとって不可避の岐路は、新たな人生への「入団」でもあります。オフ恒例の大河企画「さよならプロ野球」で、青年たちの希望の光を追います。2023年の第10弾は、広島一岡竜司投手(32)。

プロ野球

◆一岡竜司(いちおか・りゅうじ)1991年(平3)1月11日、福岡県生まれ。大分・藤蔭から沖データコンピュータ教育学院を経て、11年ドラフト3位で巨人に入団。13年オフ、巨人にFA移籍した大竹の人的補償で広島入り。プロ通算290試合に登板し、17勝14敗、7セーブ、84ホールド、防御率2・76。179センチ、87キロ。右投げ右打ち。

アナリスト

打者をにらんでいた目は今、パソコンのモニターをにらんでいる。巨人、広島で現役生活12年を終えた一岡は、来季からデータ分析をするアナリストとして球団を支えていくこととなった。

「とても興味のある分野だった。勉強していきながらになるけど、コーチを通して選手に理解してもらえるようにしたい。今後どういうキャリアを積んでいくのか分からないですが、知識をつけておくことは今後の人生の役にも立つと思う」

9月下旬、今季それまで1軍昇格のなかった一岡はマツダスタジアムを訪れ、球団に現役引退の意思を伝えた。

「自分のストレートを投げられなくなった」。引退後はプロ野球界から離れ、福岡に帰って新たな人生を歩むつもりでいた。

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